約 540,697 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/147.html
近頃巷で流行ってるゆっくりなる生物 こいつらは人の畑を荒らし、おまけに堂々と自分の家だとか抜かしやがる。そのため農民たちに嫌われていた。 もちろん、俺もこいつらは大嫌いだが感謝もしている。 理由は簡単。こいつらのお蔭で俺は生計を立てているからだ。 こいつらが大量発生する前俺はただの農民だった。少し外れに住んでいたが妖怪が襲いに来るわけでもなく、日々の糧を農業によって得ていた。 しかし、去年の秋ゆっくりどもが大量発生したとき真っ先に被害にあったのは森に近い俺の畑だった。 秋の収穫も目前のある日、俺は作物の様子を確認するために畑へ向かった。ちなみに俺が育てていたのはさつまいも今年は天候も良く豊作だと思っていた。 しかし、畑で俺を待っていたのは食い荒らされた芋とそこでぴょんぴょん跳ねるゆっくり達だった。 呆然としながら近付くとこっちに気がついたのか赤いリボンをしたゆっくりが「ゆっくりしていってね!!」と言ってくる。それにつられて周りの黒いのや「ちーんぽ!」とか抜かすゆっくり達が俺に向かって「ゆっくりしていってね!!」と言ってくる。 しばらく呆気にとられた俺だが冷静になるとさっそく目の前の赤いリボンをしたのを持っていたスコップで叩き潰す。「ゆ”っぐヴぇ!」と気持ち悪い声をあげて潰れるゆっくり 直ちに周りのゆっくりが抗議の声を上げる「ひどい!ゆっくりさせてね!」「ゆっくりあやまってね!!」 煩い 黙れゴミ ただただムカついた こんな饅頭共に俺が丹精こめてつくった芋を食われたのかと、俺はこの冬どう過ごせばいいのかと そのまま近くにいた銀髪のゆっくりを叩き潰す「ぢーんっぶぇ!!」さすがにゆっくりも危険だと気がついたらしい「ゆっくり逃げてね!!」と黒い奴の号令で一斉に逃げだした。 そのまま追いかけて何匹かつぶすが首謀者のようだった黒い奴をはじめとして何匹かには逃げられてしまった。 俺は殺したゆっくりを処分すると、そのまま情報通の友人である霖之助のもとへと向かった。 「それは災難だったね。」お茶を出しながら霖之助が言う。 「ああ、まったくもって腹立たしい。で、霖之助あれはいったいなんなんだ?」霖之助も詳しいことは知らないようだったが概要を説明してくれた。あれが突然発生したということ。一番多いのはさっきの赤いリボンのと黒い奴でそれぞれ霊夢種と魔理沙種らしいがその他にもいろいろな種類がいるらしいこと。そして、雑食性のためあちこちで被害が出ていることも。 「そうか…俺のところだけじゃないのか…」あんな奴らが人間に迷惑をかけてるのかと考えるとイライラした。 「妖怪の間でも被害にあう子が増えてるらしいよ。そのたび駆除してるけどあまりにも繁殖が早く何回も来るとか」 「どうにかできないのか?」 「僕だけじゃね…あ、でも君これからの冬仕事がいるんだろ?」 「ああ、あの糞饅頭のせいでな」 「だったらピッタリのものがある!少し待っててくれ。」というと奥の倉庫に行ってしまった。 このゆっくりの話と冬の仕事と何がつながるのだろうか?と考えていると霖之助が何やら銃のようなものを取り出してきた。 「ちょうどよかった。君確かパチンコとか得意だったよな?」 「ずいぶんと昔のことを持ち出すな。まあ、確かにお前も含めてあのころ遊んだ仲間の中では一番だったな。」 「ならちょうどいい。この銃は繚乱の対弩と言って外の世界ではモンスターを狩るために使うらしい。」 「モンスター?」 「妖怪のようなものだろう。それにこれは、虫退治とかにも使うらしい。そのうえ弾は自然の草とか魚からできているからゆっくりを処分したあとそのまま畑に埋めれば肥料になるんだ。」 「で、これと俺の仕事の話は?」 「だから、君がこれを使ってゆっくりを処分してけばいいんだよ。これからどんどんゆっくりがらみの問題は増えるだろうし新しい職業になるかもしれないぞ。」 確かにそれはいい考えだと思った。ストレス解消にもなるしみんなにも感謝される最高の仕事だ。しかし… 「でも、俺は今そんなものを買うほどの余裕はないんだが…」この銃はどう見ても高そうである。しかも珍しい物好きの霖之助のことだそんなに安くはしてくれないだろう。 「一昔前ならそうだろうけどね。なぜか今年の3月の終わりから大量にこんな銃が流れ込んできたんだ。」 「外から?何かあったのか?」 「僕のお店の常連の妖怪さんは何でも「ああ、そういえば新発売ね。ボウガンは強化できないのよねー。」とか言ってたが」 「よく意味がわからんな。」 「僕もだよ。でもそのおかげで僕の倉庫は似たようなのでいっぱいなんだ。友達のよしみもあるし、とりあえず出世払いでいいよ。」 持つべきものは良い友達だ。そのまま霖之助に使い方を教えてもらい一通りの弾を貰うと、俺は早速村の中心に行き集会所に「ゆっくり退治お任せください。詳細は○○まで」と看板を立てて置いた。 2日後早速依頼が舞い込んだ。はじめに潰したとき何でも黒大福(魔理沙種とか言ったか?)を逃がしてしまったらしくそいつが仲間を引き連れて何回か襲撃に来たらしい。 「報酬は今年の収穫の十分の一でよろしいでしょうか?」裕福そうな依頼人だ。事実ここらでは一番の地主らしい。 「はい十分です。ゆっくりが来るのはこの畑ですか?」 「はい。何箇所か畑を持っているのでこの畑にばかり構ってられないのです。」 「了解しました。では、今日はこのままここに張り込ませてもらいます。大丈夫だと思いますが巻き込まれないように近寄らないようにお願いします」 ゆっくりが来るのは夜明けらしいのでそのまま張り込む。ゆっくりは動いてないものを認識しづらいらしくこのまま動かずに来たら狙撃するのが一番効率がいいと判断したからだ。 そして、そのままそこで仮眠をとり空が少し白み始める頃、あの耳障りな声が耳に響いた。 「今日もゆっくり食べようね!!」「朝ならあの人間もいないもんね!」「ここは霊夢たちのゆっくりポイントなのにね!!」「「「「ねー!!」」」 どうやら今日の標的は3匹らしい。魔理沙種と霊夢種とパチュリー種のようだ。 俺は息をひそめて銃弾をリロードする。とりあえず今回用意してみたのは散弾と徹甲榴弾である。そしてゆっくりが範囲内に入る。そしてどう仕留めるか考える。何回かの襲撃で知恵を少しはつけたらしく人間の気配を感じたらあっという間に逃げてしまうらしい。そこで俺はとりあえず固まってる霊夢とパチュリーを散弾の連射で仕留め魔理沙を徹甲榴弾で仕留めることにした。 スコープを覗き狙いをつける。と同時に徹甲榴弾のリロードの準備を整える。 3…まだ早い2…もう少しだ1…狙いを定める 「ゆ”ぐぐぐぐっぐ?!」「む”ぎゅぐげぐぐ!」散弾の連射を急に浴びた二匹のゆっくりまだ息はあるようだがもう動けまい。と同時に、「ゆっくり死んでてね!」と薄情な言葉を吐き黒大福が一目散に逃げ出す。 俺は徹甲榴弾をリロードすると同時にただちに黒大福を追いかける。 「ゆ”ぐっり”ざぜでえ”えええ”!」「ゆっっぐりじだっがだっよお!」後ろから二匹の声が聞こえるが無視する。 「ゆっくりしていってね!!」黒大福も意外と早く距離はなかなか縮まらない。だが徹甲榴弾は距離を関係としない威力をもつ。俺は森に逃げ込む直前の黒大福に向け徹甲榴弾を撃った。命中! 「ゆ?」徹甲榴弾は当たった時には大したダメージはない。「ゆっくりしていってね!!」人を小馬鹿にしたように森へ逃げ込むゆっくり。その時の顔はまさに勝ち誇った顔であった。おそらく森の中では逃げ切れると思ったのだろう。 確かに、その推測は正しい。森に逃げ込まれたらボウガンで仕留めるのは難しい。しかし、もうすでにやることは終わっている。 もう一回黒大福が満面の笑みで飛び跳ねる。だが、それと同時に発せられたはずのお決まりの文句は最後まで言い切られることはなかった。 「ゆっくりしてっぶっ!」次の瞬間ゆっくりの体が弾け飛ぶ。徹甲榴弾は命中した後爆発する弾である。見事真ん中に命中しやわらかい餡子の真ん中で止まった弾は爆発しゆっくりの体を四散させたというわけである。 こうして、ゆっくりを仕留めた俺は畑に戻り息も絶え絶えの二匹のゆっくりを生かしたまま畑に埋める。「ゆ”っゆ”っゆ”」「む”ぐむ”ぐぐぐ」とか最早意味のわからない言葉をあげていたが畑に埋めると声がしなくなった。 「ありがとうございました。あの黒大福がリーダーで引き連れてくるらしく狙っていたのですが警戒心が強くなかなか仕留められなかったのです。」 「いえ、私もこの仕事のおかげで冬を過ごせそうです。後、なにかゆっくりで困ってる人がいたら是非私のことを紹介してください」 「ええ、もちろんですとも。集会所で広めておきましょう。」 こうして、俺の仕事はウナギ登りに増えていった。そのうちゆっくり加工所から希少種の捕獲を頼まれることも多くなった。 そして今日も俺はボウガンを片手にゆっくりを狩る。最近では俺のまねごとを始めるを始める奴も増え始め、集会所は依頼を取りまとめる場所になっている。 そして、いつしか人は俺のことをこう呼び始めた「ゆっくりハンター」と。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ あとがきのようなもの ここまでお付き合いいただきありがとうございました。 元ネタは見ての通りモンスターハンターからです。今度は捕獲クエストで一本書こうと思っています
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2306.html
ゆっくり罵倒 うちに帰るとゆっくりが強盗に来ていた。 「ゆっ! ゆっくりにげるよ!」 キッチンでジャガイモをくわえていたまりさが、ぴょんと飛び上がって、もそもそ走っていく。 バカヤロ誰が逃がすか。俺はダッシュしてまりさを飛び越え、縁側に先回りした。 割られていたガラスの代わりにガラガラッと雨戸を閉める。 あーあちくしょう、これ実害じゃねえか。侵入だけなら許してやらんでもないと思ったのに。 実刑判決だな。執行猶予なし。 「ゆうっ! しめられちゃったよ! しかたがないね、ゆっくりあやまるよ!」 またピョンと跳ねたまりさが、俺を見てニコニコと笑いかけた。 「おにいさんごめんね! まりさははんせいしてるよ、ゆっくりゆるしてね!」 ピキキッ。 いかん、温厚なつもりが。 これはけっこう……クるわぁ。 「あぁ? なんだこのお調子もんが、それで許されると思ってんのかバカアホ短足ふくれ饅頭」 「ゆゆっ!? ゆるしてくれないの?」 「ったりめぇだ誰が許すかトンチンカンのアンポンタン! 藪にらみのへっぴり虫のインチキお化けのぶちゃむくれーのスットンキョーのデブ饅頭!」 「でぶっ!? まっまりさでぶじゃないよ! ゆっくりおこるよ!?」 またピョンと跳ねると、まりさは涙を浮かべてぷぅーっと膨れ上がる。 ゆっくり怒りのポーズだ。すかさず俺は怒鳴る。 「うるせえバーカ何がデブじゃないだこれだけボヨボヨならデブ以外の何もんでもねえだろうが!」 「ゆうっ? ゆゆゆゆ」 「デーブデブデブ脂肪の子! 太った中身はあんこっこ! 三段腹の怪生物!」 「ゆぐあああ、まりさでぶじゃない、でぶじゃないいい!」 ぷひゅるるる、と潰れてから、のてんばたん、のてんばたんとまりさはもだえる。 その鼻面に顔を突きつけてさらに怒鳴る。 「デブだしトンマだしノロマだド畜生! 田舎くさい土饅頭がダサボロい古帽子かぶって似合うと思ってんのかエセ生首の低脳団子!」 「だだだだだっ、ださくないいいぃぃぃぃ!!! まりさのおぼうしはさいこうのおぼうしなのぉぉ!!」 お、真っ赤になってわめきだした。そうだそうだ、ここがツボだった。 「お帽子お帽子素敵なお帽子真っ黒お帽子なんの色? あ・ヘドロ色♪ あ・ゴミの色♪ あ・葬式の・服の色♪」 ぺしぺしぺしぺし。帽子をはたいて歌ってやると、狂ったようにゴロゴロころがった。 「うだうな゛あぁぁぁぁぁぁ!!! おぼうしのへんなうだうだうなああぁぁぁ!!!」 「お帽子お帽子素敵なお帽子真っ黒お帽子なんの色? あ・燃えちゃった♪ あ・おコゲ色♪ あ・臭くて汚いうんうん色♪」 「やめろ゛ぉぉぉぉぉぉ!!!!? ぞんなうだ、なじなじなじなじぃぃぃぃぃぃ!!!」 「真っ黒まりさのお帽子は 昔々のお婆ちゃん しわしわばばあのお帽子だ かぶるとばばあだ、ババまりさ」 「ばばばばばばば、ばりざばば゛あじゃないよ゛ぉぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!?」 半狂乱で喚き立て、跳ね狂い、唾を飛ばす。 俺はにんやり笑って、正面から言う。 「ばば・まりさ☆」 「ばばあじゃないぃ!」 「ばばあ。おばばまりさ。しわしわクシャクシャ口臭い」 「くざぐ゛ないいぃぃぃ!!」 「鼻がない。耳もない。ないない尽くしない尽くし。ゴロゴロ転がるボールまりさ」 「なぐな゛いっ! なぐないのぉぉぉぉ!!!」 ぐっ、と腰を据えたかと思うと、猛烈に激怒した風情でぶるぶるぶるぶる震えながら怒鳴った。 「服も着てないパンツもはかない、エプロンもなければ箒もない。貧乏まりさ、ないないまりさ」 「ふっ、ふぐっ? ふぐってなに?」 目を白黒させるまりさを、すかさず嘲笑。 「服って何って? 服を知らないんだ。やぁーいやぁーい、バカまりさアホまりさ何にも知らないオタンチンまりさ! 服ってのはなぁーこれだよこれ!(バフバフ)見りゃわかんだろなんでわかんないんだっとにゆっくりはバカで愚かで無知でスカタンでアンポコリンでオッチョコチョイでメンチボーでアンガラモンガラでブッポーソーだなアッチョンブリケ!」 「あんがらっ! ぶりっ! ぎゅあああああああああ!!!!」 鬼のように目を吊り上げて、口をグワッと全開にして、とにかく何か言い返そうとした途端―― ぶっちーん、とまりさのこめかみが弾けた。途端に、ぶりゅーっと餡が噴出する。 「ゆ゛う゛っ!?」「うおっ!?」 まりさ本人だけでなく俺も驚いた。まりさの横顔から噴水のように餡が吹き出ていく。 「ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛、だめっあんこざんっでちゃだめっ!」 餡子を止めようと思ったのか、そわそわっ、とまりさはせわしなく左右を向いた。 しかしそれで遠心力がついてしまって、かえってビュッビュッと餡が勢いを増した。 「ゆ゛を゛゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!? とめてとめでどめで! おに゛いざんあんこどめでぇぇ!」 びょびょっ、と俺に近づいて、まりさは哀願した。しかし悪いが、俺はまったく逆のことを考えた。 「あーんこあんこ、あんこはうんこ、うんこがぴゅー! まりさがぴゅー! うんこまりさがぴゅっぴゅっぴゅー!」 「ゆがあああああ!!! ばりざはうんごまりざじゃない゛いぃ゛い゛ぃ゛!!」 びゅびゅー。 「や゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!! おに゛いざんや゛めろ゛お゛お゛、あんごでぢゃうでじょおおおお!!?」 「うーんこまりさは真っ黒まりさー、中身も帽子もうんこっこー」 「う゛んごじゃなあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛い!!!」 それがまりさの遺言だった。 激怒とともにブシャアアアアと餡子が噴いた後は、急にまりさは空ろな顔になって、ヘタヘタと崩れてしまった。 帽子の下で、くぼんだ眼窩の中の目玉を左右別々の方向に向けたまま、「う゛ う゛ん う゛ ゆ」とつぶやいている。 どうやら、激怒により餡圧が高まりすぎて破裂した挙句、餡子欠乏に陥ったらしかった。 俺は、畳一面の餡子とガラスの破片を避けながら、雨戸をカラカラと開け、マイルドセブンエクストライトに火をつけた。 「ふぅ……」 そして、次から外で罵倒しようと心に決めた。 =============================================================================== 罵倒マジで難しいです。すぐ子供言葉になってしまう。 「機関銃のように罵声を浴びせる」ことのできる人がうらやましい。 YT 過去作品 その他 エレベーターガール そ その他 変身 そ ゆっくりいじめ系27 幻想鉄道の動物対策 虐 機 霊夢×ゆっくり系2 博麗神社の酒造り 虐 料 その他 諸君私はゆっくりが好きだ そ 美鈴×ゆっくり系2 ほんめーりん×ゆっちゅりー甘甘水責め 虐 そ その他 FireYukkuri そ ゆっくりいじめ系187 終端速度 虐 家 無 永琳×ゆっくり系11 八意永琳のアルティメット・サイエンス 虐 そ ゆっくりいじめ系264 幻想郷のみにくい生き物 虐 ゆっくりいじめ系281 冬眠ゆっくりの子守唄 そ 環 性 家 ゆっくりいじめ系312 乙女よ、森はまだ早い 虐 性 無 ゆっくりいじめ系345 ゆっくり塊魂 虐 ゆっくりいじめ系1044 ゆっくりと共同生活 虐 家 ゆっくりいじめ系1052 ゆっくりとガチバトル そ 魔理沙×ゆっくり系4 ゆっくりの身の程 ゆっくりいじめ系1285 ゆっくり夢幻 驚異のマイクロゆっくり このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2781.html
「ゆっへっへっへ、これだけあれば冬もゆっくりできるんだぜ!」 朝からの初雪で白く染まった人里外れの森。 大木の根元を掘り下げた洞窟で少し大きめのゆっくりまりさは高く詰まれた食料を前に下卑た笑みを浮かべていた。 「ゆっ。 じゃあれいむたちもう人間から食べ物を取ってこなくていいんだね?!」 「ああ、いいぜ。 これだけあればこの冬も越せるんだぜ。」 この洞窟にはこの少し大きなゆっくりまりさとその家族と他にゆっくりれいむの家族が住んでいた。 ただ数も多く、身体も皆大きいまりさの家族が穴の中心で踏ん反り返っているのに大して、れいむの家族は部屋の隅でお互いを寄せ合うようにしている。 この住処の力関係は歴然だった。 「やったねおかあしゃんこれであんしんしてゆっくりできるよ!」 とはいえこれでこの冬は一安心だと思ったのか、れいむの家族も安堵していた。 「ああ、ゆっくりできるぜ! ただしお前らは外でだけどな!」 「ゆっ!?」 言うが早いかまりさの家族は総がかりでれいむ達を体当たりで外にはじき出してしまった。 このまりさ一家、秋の終わりにこのれいむ一家の住んでいた洞窟に入り込んできて我が物顔で居座ると、 その大きな身体でれいむ一家を脅しては自分たちの食料を集めさせていた、いわゆるゲスまりさと呼ばれる種類であり、さらに最近ではもっと美味しいものをと言い出しては危険な人里から人間の食料を調達させていた。 「お前らはもう用済みなんだぜ! そこでゆっくり凍え死ぬといいんだぜ!」 『ゲラゲラ!』 ゲスまりさ一家は洞窟の入り口でそんな勝ち誇り、下品な笑いを吐いている。 れいむ一家は仕方なく雪の中せめて、住処だけでも見つけられないかと洞窟を後にした。 一方人里。 「かさはいらんかね~ かさはいらんかね~ 丈夫なかさだよ~」 年の瀬で皆忙しく買い物をする中、傘を売る老人がいた。 もっとも忙しい年の瀬、雪が降り出しているとはいっても今傘を買おうなんて思う人間はいない。 それでも老人は自分の年の瀬の用意をしなければと懸命に声を出しながら商店街を歩いていた。 …と、突然肩を乱暴にどかされ足腰の弱い老人はそのまま転倒してしまった。 「おいジジイ、マジ邪魔なんだけど。」 雪に倒れた身体を持ち上げて声のする方を見ると食料を乗せた荷車を引く青年の姿がある。 「へえ、すみませんでさぁ。」 この青年は里の庄屋に奉公に来ていたが素行も悪く、問題ばかり起こす事で有名だった。 とは言え忙しい年の瀬。 そんな青年でも何とか使わなければ手が回らないと、庄屋の番頭は仕方なく青年を買い物に行かせていた。 「はあ? マジすみませんじゃねえよこのボケ!」 「ぐうっ!」 この寒い中使いに行かされ、重たい荷車を引かされていた青年は機嫌が悪く、その捌け口を蹴りという形で老人にぶつけた。 もっとも、奉公に来ているからには仕事をこなすのは当たり前。 機嫌を悪くする時点でどうかしているのだが…。 「たくっ、傘なんざマジ売れもしねえのに歩いてるんじゃねえよ、マジ邪魔だっつーの。」 トドメとばかりに痛みで動けない老人に唾を吐いて尚もブツブツ言いながら去っていった。 人間にもゲスはいる。マジで。 しかし、確かに傘が売れないという点は青年の言うとおりだ。 老人は起き上がるとトボトボと商店街を後した。 「おかーしゃんさむいよお…」 「ごめんね、ゆっくりがまんしてね。」 激しさを増す雪の中、れいむ一家は住処も見つけられず、しだいに降り積もる雪に体力を奪われ、力尽きようとしていた。 「おや、ゆっくりかい。 こんな雪の中に何でまた…。」 人間だ、相手は老人だが今の自分達は戦うことは愚か逃げる事も出来ない。 れいむ一家は死を覚悟した。 老人は百姓である。 ゆっくりと言えば百姓にとっては田畑を荒らされるので目の敵なのだが、 この老人の畑はゆっくりの生息地からは遠かったので特に荒らされたりすることも無く、老人はゆっくりにそれ程嫌悪を抱いていなかった。 だからこれが普通の青年や他の農家だったらトドメを刺している所だが、元々人が良く、心優しい老人はそうはしなかった。 「ゆっくりと言えどこんな雪の中じゃ寒いじゃろうて、こんな物でよければどうじゃろうか?」 それどころか彼はれいむ達に頭の雪を払いながら売れなかった傘を被せていく。 散々いたぶられて殺されるかと思っていたれいむ達は予想外の老人の行動に呆然とし、全員に傘を被せてくれるまでじっとしていた。 幸いある程度大きくなったれいむ一家は全員サイズも違わず、傘はいい具合に頭を覆ってくれる。 「おじいさんありがとう!」 「おじいさんはゆっくりできるひとだね!」 れいむ達のお礼を聞いて老人は満足そうに笑うと、雪の中姿を消した。 「あークソ、マジだりいよ。 あのジジイもうちょっとマジぶん殴っておくんだったなあ。 つーかあの庄屋のオヤジとかありえねえだろマジで。 マジこんな雪の中使いに行かせんなつーの。 マジさっさと死ねや。」 商店街から庄屋の家に向かうには人通りの少ない人里の端のを進まなければいけない。 青年は相変わらずやたら「マジ」の入った頭の悪そうな文句を一人垂れ流しながら荷車を引いていた。 ガコンッ 「ん?!」 唐突に荷車に違和感を感じ、青年が後ろを見ると荷車がかなり傾いている。 雪の中、積雪に隠された岩に乗り上げたのだろう。 普通ならこんな物に気づかないワケ無いのだが独り言に夢中だった青年は気づかず、荷車は今にも横転しそうな所だった。 「ちょっ、うわマジやべえって! うわ…!」 そんな倒れた荷車の角に頭をぶつけて青年は気絶してしまった。 傘を貰ったとは言えれいむ一家の事態はそれ程好転しない。 住処が見つからない以上ほんの少し死期が伸びたに過ぎなかった。 「ゆっ、おかーさんあれ何?!」 視界の悪い雪の中子供の一匹が青年の倒した荷車を見つける。 幸いにも青年はまだ気絶していた。 「おかーさんごはん一杯だよ!」 「ゆっくり運び出そうね!」 れいむ達は思わぬ幸運にはしゃぎながら、横転して荷車から落ちた大量の食べ物を寄り添って使える面積を大きくした頭の上に乗せた。 傘は一匹だと斜めになっているので物を乗せられないが、何匹も寄り添えば元々面積は広いので多くのものが運搬出来る。 長い間ゲスまりさにこき使われていたれいむ達は運搬に慣れていたのでそういった知恵も働いた。 「ってててて… マジ(い)ってえわ。 何なんだよマジで…ってうおい! マジどうなんってんだよ?!」 雪の中目を覚ました青年が荷車を見ると荷物がはほぼ全て無い。 急いで辺りを見ると雪の中帽子に荷物を載せて遠ざかるゆっくりの影があった。 「てめえらマジなにやってんだよ!? オイ、マジ待ちやがれ!」 急いで後を追おうとするが荷車に着物の一部が挟まって中々起き上がれない。 落ち着いてやれば簡単に外れるのだが半ばパニック状態の青年にそれはマジ無理な相談だった。 「くっそ、マジぶっ殺す! マジ一匹残らずぶっ殺してやっからマジ覚えていろよ!」 雪の中後ろからする青年の憎悪の声を振り切り、落ち着いたところでれいむ達は休む事にした。 大量の食べ物は手に入ったがこのままこれを持っていても住処がない以上どうしようもない。 「おかーさん、このままじゃれいむ達ゆっくり死んじゃうよ!」 「そーだよ、だから死ぬ前にせめてゆっくりおなか一杯になって死にたいよ!」 子供たちに言われ母れいむは考えた。 ここで食料を食べ続けても雪がしのげない以上はいずれは死ぬ。 それも食料がある分ゆっくりと凍え死ぬだろう。 ゆっくりするのはいい事だがなるべくなら自分達も子供達も苦しまないであの世に行きたかった。 物を食べれば半端に体力が続いて苦しむことは母れいむには分かる。 「ゆっくり待ってね! この食べ物はあのやさしいおじいさんにゆっくり届けてあげよう!」 「ゆっ! おかーさんどうして?!」 「そーだよれいむ達どうせ死ぬならゆっくりお腹一杯食べて死にたいよ!」 「ゆっくり考えてね! ゆっくりいい事をすればてんごくに行けるんだよ! そうすればあの世で一杯ゆっくり出来るんだよ!」 「ゆっ、そうなの?!」 「じゃあみんあでいいことしてゆっくり天国にいこうね!」 「お帰りアンタ。 どうだい傘は売れたかい?」 「いや、それがのう…。」 雪の中家に着いた老人は妻の老婆にゆっくりの一家に傘をあげてしまった事を話した。 「すまないねばあさん。」 「何言ってんだい。 どうせ売れなかったら邪魔になるだけなんだからあたしゃ何にも言わないよ。 それにアンタがそれでいいと思ったんだからあたしも悪いなんて思わないさ。 何、年の瀬は贅沢出来なくても冬の間の買い置きは十分。 二人でゆっくり年越ししようじゃないか。」 子にも恵まれず寂しく年を越すよりはせめて贅沢にと二人で作った傘を売りに行った老人は、 それをゆっくりにあげてしまった事を咎められると思っていたが、老婆はその選択をやさしく受け入れてくれた。 自分にはこの妻がいれば幸せなのだと涙する老人に 「いやだよアンタ年甲斐もなく泣いちゃって。」 と笑う老婆。 そんな暖かな老夫婦の家の戸を叩く音があった。 「おや、誰だろうね、こんな雪の中…。」 老婆がいそいそと戸を開けるとそこには 『ゆっくりしていってね!』 「殺す!マジ殺す! マジ一匹残らず殺してやるかんな、あのマジクソ饅頭が!」 庄屋の番頭にこっぴどく叱られ、腹いせにあのゆっくり達に復讐してやろうと雪の森を歩く。 青年には心当たりがあった。 最近人里で食料が盗まれる事が多い。 現場の様子からして犯人はゆっくりで、住処の検討も着いているからそれを掃討しようという話を青年は知っていた。 話の内容から巣の位置もそれなりに見当がつく。 マジで理不尽な怒りを燃え滾らせる青年はズカズカと雪の振る森を歩いていった。 「む~しゃむ~しゃしあわせ~♪」 れいむから奪った巣の中ゲスまりさ一家は早速食料を食い漁っていた。 「それぐらいにしておくんだぜ! 沢山あるけどせつやくしなきゃまた誰かに取りにいかせなきゃならないんだぜ!」 「ゲラゲラ、あんなの簡単なんだぜ!まりさ達は無敵なんだz…ゆべっ!」 「マジ見つけたぞオラア!」 突然洞窟に青年が入り入り口近くのまりさを蹴り飛ばして壁に餡子をぶちまけた。 「ゆっ、おにいさんここはまりさ達の…ゆぶえ!」 続けて抗議しようとした二匹目を踏み潰す。 「マジるっせえよこのクソ饅頭が! マジテメエらだろ俺の荷物や里で食いモン盗んでたのはよぉ!」 「ゆっ、それは違うんだぜ! 盗んだのは全部れいむ達なんだぜ! まりさは盗んでないんだぜ、分かったらゆっくりあやまっておかしを…ゆぎぎぎ…ゆぎあ!」 更に弁解と謝罪の要求を始めたまりさをマジ二つに引き裂いた。 「はあ?マジ何言ってんのオマエ。 俺マジお前らが逃げてく所見ているんだけど? 帽子被っているのなんてマジお前らしかいねえだろうがよ! しかもマジ何よその食い物、マジ全部里のモンじゃねえか! わかったらマジ死ねやゴルア!!!!」 「ゆげええええ!!! なんでなんだぜえええええ!!!!!!」 雪はすっかり溶け、レティも姿を消した頃、百姓夫婦と共に農作業をするゆっくりれいむ一家の姿があった。 「おじいさん、これ何処におけばいいの?!」 「ああ、それはこっちに。 ああ、そこはもうそれぐらいでいいじゃろう、あっちにお茶菓子用意しておいたからゆっくり休みなさい。」 『ゆっくり了解したよ!』 「おじいさん達も一緒にゆっくりしようね!」 元々寂しかった老夫婦は雪の中恩返しに重たい食べ物を運んできてくれたれいむ一家を受け入れ、正月をにぎやかに過ごした。 れいむ一家はその後老夫婦の農作業を手伝いながらゆっくりと充実した日々を過ごしている。 運搬が得意で虐げられて来た為か根性とモラルが備わったれいむ一家は老人達にとっても孫のような存在になった。 老夫婦にとっても身の回りがにぎやかになり、寂しくはない。 「はるですよ~♪」 幻想郷の春は妖精リリーの能天気な呼び声で始まった。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4265.html
※お兄さんが一番餡子脳 『ゆっくりしていってね!』 「ゆっきゅちちていっちぇね!」 狭いケースの中に響き渡るスピーカーから流れ出した音声 それに律儀に返事をするのはケースに閉じ込められた赤いリボンの1匹の赤ゆっくり 彼女の名前はゆっくりれいむ。正確には彼女の種族はゆっくりれいむか ゆっくりと呼ばれる下膨れ生首型餡子生命体の中では極めてオーソドックスな存在である 『ゆっくりしていってね!』 「ゆっきゅちちていっちぇね!」 『ゆっくりしていってね!』 「ゆっきゅちちていっちぇね!」 スピーカーからその音声が聞こえてくるのは常に3回 れいむは本能の命ずるままに毎回ちゃんと笑顔で返事をする 直後、床の一角が開き、そこから少量のゆっくりフードと水がせり出してきた 「むーちゃむーちゃ・・・ふしあわちぇー」 しかし、ゆっくりフードは無味乾燥な上に水も少々苦い 何とか生命を維持できる最低限度のものでしかないこんな食事で満足できるはずも無かった 「ゆぅ・・・ゆっきゅちちたいよぉ・・・」 ご飯を食べ終えたれいむは俯き、涙をこぼした その後もいつもと同じ全然ゆっくりできない一日を過ごした お店が開いたら上っ面だけの笑顔を浮かべて、やってきたお客さんに精一杯愛想を振りまく 全然美味しくない昼食と夕食を食べて、閉店後は1匹の子ゆっくりが人間さんとゆっくりしている映画を視聴する 「ゆぅ・・・れいみゅもゆっきゅちちちゃいよぉ・・・」 子れいむが飼い主の男性と外でボール遊びしている姿を見ていると、思わずそう呟いてしまった ブラウン管の中で笑顔を浮かべる子れいむは心の底からゆっくりしているように見えた ある日、れいむは必死に愛想を振りまいた甲斐あって、ある男性に飼われる事になった 彼はれいむを見て優しそうに微笑んでくれた 「やっちゃあ!こりぇでゆっきゅちできりゅよ!」 れいむは幸福に満ちた暮らしに思いをはせて、喜びのあまりに思わず飛び跳ねて天井に頭をぶつけた 「やめちぇ!やめちぇね!いちゃいよおおおお!?」 ある日、れいむは飼い主から厳しい折檻を受けていた 理由は飼い主のお茶碗に体当たりをして、その拍子にお茶碗が割れてしまったから 当然、ゆっくりと割れ物をテーブルの上に置いた飼い主にも非はある しかし、ゆっくりを教育する上でそのような理由で譲歩する必要は無い 「れいむ、お前はどうして怒られているんだ?」 そう言って飼い主の男性はれいむの底部、もとい“あんよ”をプラスチック定規で打ち据える れいむはその痛みから逃れようとするが、輪ゴムで別の定規にうつ伏せに固定されているのでそれも叶わない 「わかりゃにゃいよおおおお!れいみゅ、にゃにもちてにゃいよ!」 「いいやしたよ。お前は俺のお茶碗を割った」 そう言って飼い主は泣きじゃくるれいむに一部の欠けてしまったお茶碗を見せた そして、「お店でもそう教えられたはずだろ?」と眉間にしわを寄せて再びあんよを叩く 「ちらにゃい!れーみゅ、ちらにゃいいいい!?」 が、れいむは自分の非を一切認めようとはしない 念のため言っておくと、これは別にれいむがゲスだと言うわけではない 割れたのがれいむの目の前ではなく、テーブルの下だったことがまず理由として考えられる つまり、れいむが落とした、落としたから割れた。ゆえにれいむが割ったという論法がれいむの中で成立しないのだ 「やめちぇね!ごめんなちゃいしゅるかりゃ、もうゆっきゅちさせちぇね!?」 だきゃらやめちぇね!というれいむの要求が飼い主を更に怒らせてしまった 動物のしつけは大抵「~すると叩かれる」という単純なパターンを理解させること 今後、れいむは恐らくお茶碗に近づかないようにするだろうからしつけとしては十分である 「ゆっくりしたいから謝るんじゃ駄目だろ。悪い事をしたからお仕置きされているんだよ?」 しかし不運にもゆっくりは人語を喋り、人語を解してしまう そのせいか、こういった訴えが反省していない証拠と捉えられいっそう厳しいお仕置きを受ける事が多々ある 人間の価値観を押し付けてしまうために、ゆっくりの思考能力や判断の基準を無視してしまうのだ 「ちゃんとペットショップでもそう教えられているはずだよ?」 「ちらにゃいよ!れーみゅ、おはなしゃんわっちぇにゃいよ!?」 「訳の分からない事を言わない!」 飼い主はいっそう力強くれいむのあんよを叩いた が、れいむの言っている事はれいむにとってはそれなりに意味のあることである “おはなさん”とはペットショップで見た子れいむが割ってしまったお茶碗の柄の事なのだ ゆっくりはお茶碗に何の価値も見出せないが、お花はとってゆっくり出来るもの だから、店で子れいむが叱られている映像を見たとき、「おはなさんをこわしたのがわるい」と認識したのだろう 「ご、ごめんなぢゃいいいい!れーみゅがわりゅかっちゃよ!だきゃら、ゆっぐ・・・ぼう、やめぢぇえ・・・」 「仕方ないな。もう許してやるから、今度はお茶碗を割るんじゃないぞ?」 「ゆっぐ・・・ゆひぃ・・・ゆっぐぢぃ・・・」 その後もれいむはガラスのコップなど、手を変え、品を変えて、色んな物を割ってはその度に折檻を受けた 酷いときには、あんよが真っ赤にはれてしばらく跳ねる事が出来ないことえあった 「もうやじゃぁ・・・れーみゅ、てーぶりゅしゃんきりゃいだよ!」 れいむにとっては理不尽極まりない折檻は、れいむがテーブル嫌いになるその日まで頻繁に繰り返された もっとも、テーブル嫌いになったその日もそれが原因で折檻を受ける事になったのだが・・・ 「やめちぇね!いちゃい!いちゃいよ!?」 ある日、またしても折檻を受けた 理由は彼に「お友達が欲しい」とわがままを言ったから 男性はいつものように定規でれいむのあんよを叩きながら呟く 「わがままは駄目って教えられなかったのか?」 もちろん、れいむだってそんな事は知っていたし、だからお菓子をよこせなどと言った事はない なら、どうしてれいむが友達が欲しいなどと口にしたのか 理由はこれまたペットショップでしつけ用に何度も見せられていた映像にあった 「だっぢぇ、おとみょだちはゆっきゅちできりゅっちぇ・・・」 「言い訳しない!」 その理由を言おうとした瞬間、思いっきりあんよを叩かれる しつけ用の映像の子れいむは途中から子まりさと一緒に飼われ、いつも2匹で遊んでいた だから、映像で見た怒られることをしてはいけないのが当然であるのと同様に、お友達は無条件に与えられるはずだと思っていたのだ 「だっぢぇ、れいみゅ・・・ゆひっ・・・!」 「わがまま言うな。俺には2匹目を飼う余裕はない」 なのに、男性はもう一匹のゆっくりを飼う事はおろか、公園などのれいむを連れて行くことさえしなかった 公園に行くにしても彼にはそのような時間的余裕も、ペットに手間をかけるつもりも無かった そういったゆっくりを安価で一時的に預かってくれる施設もあるのだが、彼はそういった施設の存在を知らない 「ゆえーん、どうぢぢぇ・・・れーみゅ、いいきょに、ゆっぐ・・・」 「良い子はそんなわがまま言わないよ」 「ゆあ゛っ!・・・ゆぴぃ!」 あるいは近所のゆっくりを飼っている人に預かってもらうと言う手もあるのだが、彼にはそんなネットワークも無い 元々あまり外交的な人ではないのだろう。だからゆっくりを飼おうと考えた、飼い主の男性はそういう人物なのだ だから、人間はおろかそれ以外の相手に対しても想像力が働かず、れいむの気持ちを汲み取る事ができない 「それに、いつもちゃんと遊んでやってるだろ?」 「ゆっぐ・・・でみょぉ・・・」 「デモもストもクーデターも無いだろ」 そう言いながら、何度も何度もれいむのあんよを定規で殴打する 彼の言う事は間違ってはいない。確かに彼は仕事から帰ってくるとれいむが起きていればかならず遊び相手になっていた しかし、そもそもゆっくりと人間では全く別物であり、人間はゆっくりの代わりにはなれない また、飼い主への気兼ねや、何かの拍子に怒らせたら・・・という不安のせいで、彼が思っているほどにれいむはゆっくり出来ていなかった 「ゆひぃ・・・ご、ごめんなちゃい!れーみゅがわりゅかっちゃよ!ゆっぎゅぢあやまりゅよ!」 「分かったならよろしい」 こうして、れいむは結局友達を紹介してもらう事も、お外に連れて行ってもらうことも叶わなかった そして、ゆっくり出来ない思いばかりを募らせながら、家の中だけの世界でゆっくりと成長していった しかし、お外にでて友達を作りたいと言うこの願望は後に予期せぬ形で実現する事になる 「ゆゆっ!とびらさんがあいてるよ?」 3ヵ月後、れいむはもう成体サイズと言っても差し支えないほどの大きさになっていた 用事で出かけた飼い主がドアを閉め忘れている事に気がつき、つい出来心で外に出て行った 障害物を避けながら進んでゆくと急に視界が開け、人間やゆっくり、その他の動物が行きかう通りに出た 「すごいよ、すごくたくさんだよ!」 「ゆゆっ!なんだかとってもゆっくりしたれいむだよ!」 「ゆぅ?」 初めての外に浮かれるれいむに声をかけたのは1匹の野良まりさ 恐らく、れいむの魅力に惹かれて思わず声をかけてしまったのだろう 飼いゆっくりは健康管理やケアが行き届いているので野良の目には大抵美ゆっくりに映る 「ゆっくりしていってね!まりさはまりさだよ!」 「ゆっくりしていってね!れいむはれいむだよ!」 お約束の挨拶を交わす2匹 まりさにとっては本当に何気ない挨拶だが、れいむにとっては産まれて始めての他のゆっくりとの挨拶 そのあまりのゆっくり出来る感覚に思わず涙がこぼれる 「ゆっぐ・・・ゆぅ・・・」 「ゆゆっ!?どうしたの、れいむ?ゆっくりしてね?」 「ぢがうよ!でいむ、ゆっぐぢぢでるよ!・・・ゆっぐ」 そうは言うものの、れいむの意思とは無関係に涙は溢れ出してくる もちろん、嬉しさの余りに感極まっての落涙だ それに気付かないまりさはれいむの目の前でおろおろと右往左往しながら、れいむが泣き止むまで 「れいむ、ゆっくりしてね?」 「ゆっくりしてよー」 「ゆっくりだよ!」 と、頬ずりをしたり、顔を舐めたりしながら彼女を慰め続けた 「まりさ、ゆっくりありがとう!」 「れいむ、ゆっくりしてる?」 「とってもゆっくりしてるよ!」 やがて、何とか涙の収まったれいむはまりさに満面の笑みを浮かべて感謝を口の言葉にする 飼いゆっくり故の美貌をもってこんな事を言われたまりさはもうれいむに首っ丈 「れれれ、れいむ!まっ、まりさとずっといっしょにゆっくりしてね!」 はやる気持ちを抑えることができず、まりさはれいむに求婚した 初めて会ったゆっくりにいきなり求婚を受けたれいむはしばらく呆けていたが、やがて嬉しそうに飛び跳ねて 「れいむもまりさとずっとゆっくりしたいよ!」 「やったぁ!これでゆっくりできるよ!ずっといっしょにゆっくりしようね!」 と、あまり彼女の言葉の意味も理解せずにプロポーズに応えた そして、まりさはれいむと一緒に男性の家に入り、そこで初めてのすっきりーを行った もちろん、れいむも初すっきりーで、2匹とも至らぬところはあったが・・・ 「「すっきりー!」」 「ゆゆっ!まりさ、あかちゃんだよ!」 「ほんとうだね!とってもゆっくりしたあかちゃんだね!」 無事、すっきりーする事ができ、れいむはまりさの子どもを額に生えた茎に宿した 「なんだ、こいつは?」 「おかえり、おにーさん!まりさはれいむのだーりんだよ!」 「ゆっくりしていってね!まりさはまりさだよ!」 その後、帰ってきた飼い主の男性に挨拶を済ませ、まりさは正式にれいむのだーりんとなった 飼い主の男性は思いのほかあっさりとまりさの同棲を認めてくれ、にんっしんっの事も素直に祝福してくれた 「ふっひっひ・・・俺達は怖い怖い泥棒さんだ!」 「お金を盗みにやってきたぞ!おや、こんなところに可愛いゆっくりが!?」 「「ゆゆっ!?」」 翌日、2匹が明るい未来に思いを馳せながらお喋りに興じていると、突然妙な男達がやってきた しかし、この家で一番強い飼い主の男性は現在外出中で、家にはまりさと身重のれいむしかいない 「だめだよ!おかねさんとったらおにーさんがゆっくりできないよ!」 「ここはまりさたちのおうちだよ!ゆっくりでていってね!ぷくぅぅぅううう!」 2匹はそれでも一生懸命泥棒2人組を説得、あるいは恫喝して追い払おうと試みる が、人間相手にそんなもの何の効果もあるはずがない 「おやおや、おうち宣言とはゲスまりさがいるぞ?」 「それにこのれいむ頭に子どもを生やしてるぞ?」 「「なんかむかつくなー」」 えらい棒読みで喋る2人は手際良くまりさを捕まえると、いつの間にか取り出した透明の箱に放り込んだ まりさの身動きを封じると、れいむを両頬を押さえつけるように捕まえて、一人の膝の上に乗せる それと並行してもう一人はえらく巨大な半田ごての準備を始めていた 「おやー、相棒。それは何かなー?」 「これは去勢用の器具だ。これを使われたゆっくりは二度とにんっしんっ出来なくなるんだ」 「それをこのれいむに使うつもりなんだな。おお、怖い怖い」 酷い説明口調でその太めの半田ごての使用方法を説明するとれいむとまりさの顔が真っ青になった ゆっくりにとって赤ちゃんを作る事は至上の喜びだと言われており、レイパーの子でも育てる事からこれは周知の事実である もっともにんっしんっしたゆっくりの中である種の餡内麻薬が分泌され、それによる錯覚だとも言われているが とは言え、どのような理由があったとしても当人達にとっては子は宝であり、それ以外の何者でもないのだ 「ゆゆっ、やめてね!あかちゃんをゆっくりさせてあげてね!?」 「んー・・・どうしようかなー?そうだ、まりさに聞いてみよう!」 れいむの懇願を聞いた泥棒の一人は突然まりさの方に振り返り、彼女に話しかけた 「れいむはああ言ってるけどさ。まりさちゃんはどうよ?」 「ゆゆっ!そんなの・・・「まだ喋るな!」 れいむにも聞こえるような大声でこれ見よがしにまりさに話しかける泥棒 しかし、突然小声で喋り始めた 「もし、れいむと赤ちゃんを助けて欲しいなら俺の言うとおりにしろ」 「・・・・・・ゆぅ」 「俺が次にお前に話しかけたときにれいむに向かって『まりさは人間さんに飼われたかっただけだよ!れいむと赤ちゃんは勝手に死んでね』って言うんだ」 「ゆっ!いや「断ったら全員死ぬだけだぞ?」 「ゆ、ゆっくりりかいしたよ・・・」 まりさの返事を聞いた男はれいむにも聞こえるように再び大声で話し始める 「さあ、まりさちゃん!君はれいむと赤ちゃんを見殺しにしてでも生き延びたいよね!」 「ゆゆっ!なにいってるの!まりさはれいむのだーりんなんだよ!?」 そう言って男の言葉に抗議するれいむだが、彼の背中が邪魔でまりさの顔を伺うことが出来ない それゆえに、わずかばかりの不安を覚えながら、まりさに話しかけようとするが・・・ 「まりさはにんげんさんにかわれたかっただけだよ!れいむとあかちゃんはかってにしんでね!」 「ゆがーん!?どほぢでぞんなごどいうのおおおお!?」 れいむの期待を完全に裏切る非常で無常な言葉がまりさの口から放たれた その直後、れいむを取り押さえていた方の男が彼女の額の茎を乱暴に引き抜いて、もう一人の男に投げ渡す それを受け取った男はまりさの額に乱暴に穴を開けると、そこに茎をねじ込んだ 「ゆぎぃ!?」 「そんなこと言うゲスにはこれくらいの制裁は必要だよねー。俺は別の部屋でも物色するかー」 「ああ、そうだなー。さあて、俺は今から去勢するぞー」 もう一人の男が部屋を後にするのを見届けた男はそう言いながらいつの間にやら熱しておいた半田ごてをれいむの額にねじ込んだ 瞬間、れいむは目を大きく見開く 全身から脂汗のようなものをだあだらと流しながら、必死になって男の腕から抜け出そうともがく 「い゛ぎぃ!?ゆびぃ・・・!ゆ゛ゆ゛っ!!」 「はっはっは・・・無駄無駄無駄」 しかし、男の手から逃れられるはずもなく、瞬く間に室内に皮や餡子の焼けた匂いが充満する 数十秒後、ようやく男が半田ごてを抜いたときにはれいむは力泣く震えながら嗚咽を漏らす事しかできなかった そんなれいむを気遣ってか、男はれいむの額にどこから取り出したゆっくりの皮を貼り付けた上で、オレンジジュースを浴びせた 「ゆっぐ・・・ぼう、やべでぇ・・・ゆっぐぢぃ・・・」 「残念だが、まだひとつ残っている」 そう言うが早いか、今度は下あご付近に半田ごてをねじ込まれるれいむ そこはぺにまむと呼ばれる器官の存在する部位で、ここを焼かれてしまうと胎生での出産ができなくなる 男の意図に気づいたれいむはオレンジジュースのおかげで幾分か回復した体力を振り絞って抵抗する が、最初の時点で敵わなかった相手に敵うはずもなく・・・ 「やべでぇえええええ!?あがぢゃんうべなぐなっぢゃうううう!?」 「そのためにやってるんだよー。ふっひっひ」 こうして、にんっしんっ出来なくなったれいむに先ほどと同じような治療を施すと男はそそくさと部屋を後にした 2人の男がれいむのつがいのまりさを連れて男性の家から出ると、目の前に家の主の姿があった 彼の姿を認めたまりさは安堵の笑みを浮かべ、彼に向かって叫ぶ 「ゆゆっ、おにーさん!このひとたち、わるいにんげんさんだよ!」 「ふーん、そうか」 「ふぅ、去勢作業と居ついた野良の駆除、終わりましたよ」 「ありがとうございます」 が、男性は泥棒2人に感謝の言葉を口にすると、懐からお金を取り出して彼らに手渡した まりさはわけがわからないといった様子で首を傾げるが、直後の彼らのやり取りで全てを理解することになった 「いやぁ、れいむがいれば十分だったんで助かりましたよ」 「勝手に子どもやつがいを作られると飼い主としては面倒ですからねぇ」 「ところで、そのまりさはどうされるんですか?」 「こいつですか?こいつは飼いゆっくりに手を出した害ゆとしてしかるべき場所で社会貢献してもらいます」 男たちが出て行ってから数分後、悲嘆にくれるれいむだけの家に飼い主の男性の声が響いた 「ただいまー・・・れいむ、どうしたんだ?!」 「ゆっぐ・・・お、おに゛ぃざあん・・・でいむ、あがぢゃんうべなぐなっぢゃだよぉ・・・」 「どういうことだ?それに、まりさもいないな?」 「まりざぁ・・・ゆわああああああああああああああああああん!?おにいいざあああああん!?」 れいむは男性に飛びついて気が済むまで泣き、それから全ての事情を説明した せっかく、赤ちゃんが出来たのに、お兄さんにも赤ちゃんを見せてあげたかったのに・・・ そう言ってめそめそと泣くれいむの頭を男性は優しく撫で・・・ 「気にするな。どんなになってもれいむはれいむだし、何よりれいむが無事で良かった」 そう言いながら優しく微笑んだ この日以来、れいむはまりさと違ってどんなになっても自分を受け入れてくれる飼い主に全幅の信頼を置くようになった 悪いゆっくりのいる外に出ることも、外に行きたいとわがままを言うこともなく、毎日家の中で男性の帰りを待つ そして、帰ってきた男性に思う存分甘える 彼に嫌われないためにも悪いことは絶対にしない こうして、れいむはペットショップで見せられた映像の中のれいむにも勝るとも劣らない幸せを手に入れた ---あとがき--- たとえ飼い主が虐待愛好家じゃなくても無知で身勝手だったり、 ゆっくりに対して変な勘違いや幻想を持っていたり、 過剰に厳しかったりするとゆっくり出来ないんだろうなぁ・・・ このれいむの今わの際の言葉はきっと「もっとゆっくりしたかったよ」だろう byゆっくりボールマン このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/528.html
ゆっくりいじめ系161 奇形ゆっくり2 「奇形ゆっくり3~ゆっくりバッジ~」 ある日の午後。 夏の強い日差しが、草原に降り注ぐ。 水分に弱いゆっくりたちは、どうやら渇きにも弱いらしく… 多くのゆっくりが木陰か川の畔でゆっくりしていた。 分厚い雲が移動して、木々に囲まれた広場に大きな影を作る。 さらに、そこへ涼しい風が流れ込むので、他の場所よりとても過ごしやすい場所となった。 そうだと分かったゆっくりたちは、広々としていてかつゆっくり出来る場所に次々と移動し始めた。 「ここならゆっくりできるね!!」 「みんなでゆっくりしようね!!」 「ここはみんなのゆっくりポイントだね!!」 雲の影の下でゆっくりし始めるゆっくりたち。 お花畑で追いかけっこしたり、蝶を捕まえて食べたり…思い思いにゆっくりしている。 僕が訪れたのは…そんな即席のゆっくりポイントでゆっくりたちがゆっくりし始めた、その時だった。 「やぁ、ゆっくりしていってね!!」 「「「ゆっ!?ゆっくりしていってね!!」」」 僕が大声で呼びかけると、周囲の大小合わせて約50匹のゆっくりは全員で挨拶を返してくれた。 うむ、いい声だ。本能に忠実で、実に健常なゆっくりである。 「おにーさん!!ゆっくりしていってね!!ここはれいむたちのゆっくりポイントだよ!!」 「へー、なかなかいいところを見つけたね!!お兄さんもゆっくりしていくよ!!」 座り込んで周りを見てみると、数十匹のゆっくりが僕の周りを取り囲んでゆっくりしている。 しばらくすると、僕のすぐ近くにいるゆっくりれいむが異変に気づいた。 「おにーさん!!そのおなかには、なにがはいってるの!?」 僕の膨らんだお腹を見つめて、不思議そうに首をかしげている。 おいおい、僕が来てから10分以上経ってやっと気づいたのか? しかも、気づいたのは僕の一番近くにいるれいむ一匹だけだ。 まぁいいか…とりあえず説明してやることにした。 「実はね……もうすぐお兄さんの赤ちゃんが生まれるんだよ!!」 「ゆゆ!?そうなの!?」 遠くまで聞こえるように説明してやったので、周囲のゆっくりがひしめき合いながら僕の周りに集まった。 どうやら新たな命の誕生となると、それが誰の子供であろうと気になるものらしい。 僕はお腹をさすりながら、皆に見えるように立ち上がった。 「おにーさんのあかちゃん!!ゆっくりいいこなってね!!」 「ゆっくりうまれてきてね!!うまれたらみんなでゆっくりしようね!!」 みんな子供思いのいい子だ。お兄さん嬉しくて涙が出てきちゃうっ…っていうのは嘘です。 人間の男が子供を生むことは無い、という一般的確定的事実を知らないのかよ。 きっと知らないんだろうな。ゆっくりはオスメスの区別なく子供を成すというから。 「あっ、もうすぐ生まれるよっ!」 苦しそうな声を出す僕。もちろん演技である。 「おにーさん!!ゆっくりがんばってね!!」 「あかちゃんもゆっくりがんばってね!!まりさたちがみてるからね!!」 「うまれたられいむがめんどうみてあげるよ!!ゆっくりかんしゃしてね!!」 興味深そうに、そして心配そうに僕のお腹を見つめながら、まわりのゆっくりたちは口々に励ましの言葉を かけてくる。 うーん…そろそろ頃合かな。と、僕は苦しそうにする演技を止めた。 「なーんちゃって!!う・そ・だ・よ!!」 「ゆ゛ゆ゛っ!?」 「お兄さんには赤ちゃんなんていませんよーだ!!」 突然の状況の変化についてこれないゆっくりたち。僕は思い切って、お腹の部分の服をめくり上げた。 「ゆっ!!」 ぼよん!! バレーボール大の、饅頭に毛が生えたような生き物が地面に落ちた。 実は、僕のお腹だと思われていたのは、一匹のゆっくりれいむだったのだ。 先ほどからずーっと、こいつは僕の服のお腹のところに押し込められていたのである。 「ゆううううぅぅぅぅぅ!!??」 周りのゆっくりたちは、混乱のあまりものも言えないという様子。 しかし、この程度でびっくりされては困る。これには、まだまだ“先”があるのだから。 「お、おにーさんのあかちゃん…なの?」 「だから違うって言ってるでしょ。この子は赤ちゃんじゃない、普通のれいむだよ」 そう言って、僕の脚の陰に隠れていたゆっくりれいむを、皆に見えるように前に押し出す。 この場から逃げようと精一杯の抵抗をして見せてくれたが、当然無意味だった。 周りのゆっくり全員に見える場所に、ゆっくりれいむは立たされることとなった。 「むっ!!むぐぐぐぐぐううぅぅぅぅぅ!!!!」 口に何かを含んでいるような、くぐもった声。いや、実際に含んでいるのである。 その中身を、僕は知っている。れいむ自身も知っている。 知っているからこそ、何があっても口の中身を外に出したくは無いのだ。 出してしまったが最後、れいむだけでなくその“中身”もゆっくりできなくなるのだから… 「ん?れいむ!!君は口の中に何か隠しているね?」 可能な限りの大声で、れいむに問う。周りのゆっくりへのアピールが目的であるのは言うまでもない。 「そうだね!!れいむのおくちがふくらんでるよ!!」 「なかになにがはいってるの!?ゆっくりそとにだしてね!!」 周囲からの呼びかけにもかかわらず、れいむは口の中身を出そうとしない。 早くこの場から立ち去りたいのだろう、涙目になっているが既に周囲はゆっくりの壁に囲まれているので ここから逃げ出すことは到底できない。 そして、僕は追い討ちをかけることにした。 「きっと食べ物に違いないよ!れいむは食いしん坊だもんね!!」 この言葉を聞いた瞬間、ゆっくりたちの目の色が変わった。 「ゆゆ!!たべもの!?れいむもたべたいよ!!ゆっくりおくちからだしてね!!」 「まりさもおなかすいたよ!!まりさもごはんたべたいよ!!」 「ぷんぷん!!ひとりじめはいけないんだよ!!みんなでいっしょにたべようね!!」 「むぐぐぅぅぅぅぅぅ!!!んぐぐぐぅぅぅ!!!!」 今にも飛び掛りそうな勢いのゆっくりたちに、れいむは必死に首を横に振っている。 うむ、あと一発背中を押してやればいいだろう。 「よし!皆でれいむの口からご飯を引っ張り出そう!そして皆で食べようね!」 「む゛ぐう゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛ぅぅぅぅぅぅ!!!???」 「ゆっくりそうしよう!!」「ごはんをゆっくりだしてね!!」 数匹のゆっくりが、目にも溜まらぬ速さでれいむを取り囲んだ。 完全に退路を絶たれたれいむは、涙を流しながら口に力をこめている。 「ゆっくりかんねんしてね!!もうにげられないよ!!」 「ひとりじめはやめてね!!それはみんなのごはんだよ!!」 四方から重圧をかけて口を開かせる作戦に出たゆっくりたち。 実際にどうなるかと見ていたが、思いのほか効果的なようだ。 れいむは苦しそうにしながらも耐えているが、その口の隙間からは中身が覗いて見えている。 ここまでくれば、もう結果は見えたようなものだ。 「せーのっ!!それぇ!!」 「ゆ!?!ぶぎゃっ!?!?」 口の中身と共に、自分自身の餡子も吐き出してしまうれいむ。 四方からのゆっくりによる圧力に、れいむの身体が耐え切れなかったらしい。 ところどころ裂けた皮からも餡子を漏らし、びくびくと痙攣しているれいむ。 「ゆっぐぐぐっぎゅぎゅぎゅ……いやあ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁ…み゛な゛い゛でえ゛え゛え゛ぇ…!!」 悲痛な叫び声を上げるれいむ。その目の前にいるのは… れいむが吐き出して草原に投げ出された、れいむの子供12匹。 ただし、全員奇形である。 ありすと強制的に交尾させ、その後廃油や毒物を与えていった結果、生まれたものだ。 次に悲鳴を上げたのは、母れいむではなくその周りのゆっくりたちだった。 四方から押さえ込んでいたゆっくりたちは、喚きながら群れへと戻っていく。 「うわっ!!これごはんじゃな゛い゛よ゛!!ぎもぢわ゛る゛い゛!!さわっぢゃっだよ゛!!」 「ゆ……ぎる……づて……いね!!」 口が癒着していてうまく喋れない赤ちゃんれいむ。 その赤ちゃんにちょっと触れただけで、ゆっくりまりさは嫌悪感に声を荒げる。 「ばっちぃよ!!ばっちぃあかちゃんはむこうにいってね!!」 「ゆぎゃ!!れいみゅはうごけないよ!!おねがいだからやさしくちてね!!」 突き飛ばされて転がった赤ちゃんれいむは、生まれつき地面に接する部分が硬化していて、 自由に動くことができない。先天性なので決して治ることは無いだろう。 自力での移動が出来ないので、常に周囲に“丁寧に”助けを求める。 それが、動けない赤ちゃんれいむが誰に教えられるでもなく身に着けた知恵なのだが… 「おねがいだよ!!れいむにやさしくちてんむぶぎゅえ゛え゛え゛え゛ぇぇぇぇ!!!!!」 「ばっちぃあかちゃんがいるとゆっくりできないよ!!だからゆっくりしんでね!!」 声は嫌悪感いっぱい、だがとても楽しそうな顔をして動けない赤ちゃんれいむの上で どしんどしんと跳ねるゆっくりれいむ。 弾むたびに飛び散る餡子が、先ほどの衝撃で動けずにいる母れいむの顔にかかる。 「れ゛い゛む゛のあがぢゃんにな゛に゛ずる゛の゛お゛お゛ぉぉぉ!!!??」 「ゆぎゃっ!!おがーしゃん!!だじげで!!れいむをだじゅげでぇぇぇぇ!!!」 「ゆっ…ゆっぐりだずげるがらまっででね!!」 全身を駆け巡る激痛に耐えながら、母れいむは這いずって赤ちゃんを助けに向かう。 ゆっくり…だが、確実に母れいむは赤ちゃんれいむへと近づいていく。 でも、その努力は報われなかった。 「だ…だじゅげ……ゆっぐりじだがったよ゛お゛お゛ぉぉぉ……!!」 この言葉を遺して、赤ちゃんは完全にペシャンコに潰れてしまった。 「どぼじで!!あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!!」 あと少しのところで、勢いよく餡子を撒き散らす赤ちゃんの身体。 赤ちゃんの衝撃的な最期を目の当たりにして、口から泡を吹きながら震える母れいむ。 そんな哀れな母れいむを尻目に、僕はポケットからバッジを取り出して、 赤ちゃんれいむの息の根を止めた優秀なゆっくりれいむにつけてやった。 胸を張って威張るゆっくりの姿が描かれている、イケイケ(笑)のナウい(笑)バッジだ。 「ゆ!?これなあに!?」 「今から説明するから待っててね」 と言い残して、僕は群れの真ん中に立った。 「みんな!!大事なことを言うから、ゆっくり理解してね!!」 「「「ゆっ!?」」」 パンパンと手を叩くと、群れの全員が僕に注目した。 「ここにはばっちぃ赤ちゃんがいるから、ゆっくり出来ないよね!!」 「そうだね!!きもちわるくてきたないあかちゃんがいるから、ゆっくりできないよ!!」 「そうだそうだ!!きたないあかちゃんはどっかいってね!!」 ふむ、掴みはOK。 「そうだよね!だから、皆で気持ち悪い赤ちゃんを殺しちゃおうね!!」 「ゆぎゅうううぅぅぅ!!?」 僕の発言に顔を真っ青にしたのは、母れいむと言葉を理解できる奇形赤ちゃんゆっくりたち。 一方奇形赤ちゃんの中には、耳が聞こえなかったり精神的におかしかったりという理由で、 言葉を理解できないやつもいるが……そいつらは今の状況すら理解できていない。 「やめで!!ぞんなごどいわないで!!」 抗議の声を上げる母れいむ。ショックの連続で身体が言うことを聞かないのか、まったく動けずにいる。 僕はそんなのお構いなしに説明を続けた。 「赤ちゃんを殺した子にはこのバッジをつけてあげるよ!!」 先ほどバッジをつけてやったれいむを高く掲げて、全員に見えるようにくるっと一回転する。 楽しく説明しているところに「おそらをとんでるみたい!」などと水を差しやがったが、 力をこめて指を食い込ませ、皮を2,3箇所破ったら黙ってくれた。 「バッジをもらった子には、あとでたくさんご飯をあげるからね!!頑張ってゆっくり殺してね!!」 パンっと一発強く手を叩く。 それを合図と認識したゆっくりたちは一斉に奇形赤ちゃんゆっくりたちに襲い掛かった。 「ゆっくりころすよ!!」「ゆっくりしんでね!!」 「いやあああぁぁぁぁぁぁ!!!やめでええええぇぇぇぇぇぇ!!!」 それは、一方的な虐殺だった。 「い゛だい゛!!み゛え゛な゛い゛よ゛!!だれがぞごにい゛る゛の゛!!? やめでやめで!!!みえないのごわ゛い゛!!だれがだじゅげでよおおおおおぉぉぉぉぉ!!!」 「ゆっくりしね!!きたないあかちゃんはゆっくりしね!!めのないあかちゃんはゆっくりしね!」」 「れいむはばっじをもらうんだよ!!だからあかちゃんはさっさときえてね!!」 目のない赤ちゃんゆっくりを、寄ってたかって嬲り殺しにするゆっくりれいむたち。 「hgるうおおあおおああおあおあおあprごpれおぱぺろpgっろおえぽーーーー!!!!」 「やったね!!これでばっじをもらえるよ!!」 エイリアンのような風貌でエイリアンのような叫び声をあげる赤ちゃんれいむを、 真上からのプレス一撃で仕留めるゆっくりまりさ。 別の場所では、3匹の赤ちゃんれいむが横一列にくっついた奇形赤ちゃんが、虐殺から必死に逃げていた。 「あっちににげるよ!!」「こっちににげるよ!!」「むこうににげるよ!!」 ぐいーん!! 「「「ゆぎゅえ!!どぼちでじゃまずるのおおおぉぉぉ」」」 3匹の逃げる方向がてんでバラバラのため、3方向の力が打ち消しあった結果、 れいむ3兄弟はその場でジャンプをしただけにとどまった。 こんなチャンスを逃すほど、他のゆっくりたちはゆっくりしていない。 「ゆ!!こいつら3人くっついてるよ!!きもちわるいから、みんなできょうりょくしてころそうね!!」 「3人まとめてしんでね!!3人ころせばばっじが3つもらえるよ!!」 いや、僕はそんなこと言ってないけど… 「れいむはころさないでね!!れいむはゆっくりにげっ…ゆゆっ!?」 また別の場所では、虐殺から逃れるべく跳ねて逃げようとする赤ちゃんれいむの姿があった。 しかし、この赤ちゃんは餡子が偏っているために、重心が極端に上のほうにある。 だから… 「ゆぎゃ!!さかさまになっちゃったよ!!だれかゆっくりたすけてね!!」 跳ねたり転がったりしたら最後、上下が逆さまのまま安定してしまって自力では戻れなくなるのだ。 逆さまのまま身を左右に揺らして助けを求める奇形赤ちゃんれいむ。 だが、その声は皮肉にも食に飢えた虐殺者を呼び寄せる結果となってしまった。 「ゆっ!!こんなところにもばっちぃあかちゃんがいるよ!!」 「ほんとだ!!さかさまになっててきもちわるいね!!ゆっくりころそうね!!」 「ゆっぺぎゃああああ;あ;ぁぁぁぁぁ!!!ゆっぐりじだがっだおおおぉぉぉぉ!!!!」 左右から挟み撃ちにされ、圧力に耐え切れず餡子をばら撒きながら絶命した。 それからも、奇形赤ちゃんに対する虐殺は続いた。 目が無いもの、口が無いもの、音が聞こえないもの、楕円球の形をしていて安定しないもの、 目と口の位置が逆のもの、髪の毛の代わりにリボンがたくさん生えているもの… 「もうやめでよ゛ね゛!!れ゛い゛む゛の゛あがぢゃん゛い゛じめ゛な゛い゛で!! あがぢゃんはれ゛い゛ぶがだずげであ゛げるがらね゛っ!!」 やっと体力を回復した母れいむが虐待を止めようとするが… 「ゆっ!!きたないあかちゃんをうんだおかーさんもきたないよ!!」 「そーだそーだ!!きたないあかちゃんをうんだ、きたないおかーさんもゆっくりしね!!」 「きたないおかーさんのせいでゆっくりできないよ!!あのよでゆっくりはんせいしてね!!」 体力が万全でない母れいむは、3匹の嬲り者にされてしまう。 3匹は交代で母れいむに体当たりを仕掛ける。まるでキャッチボールをしているようだ。 「ゆびゃっ!!やべっ!!どぎゅっ!!びぎゃっ!!みゅっぢゃあああああああああああああああ!!!」 皮が破れて饅頭本来の張りを失い、空気の抜けたボールのようになってしまった母れいむ。 母れいむがボールとして役に立たなくなったのを見て、3匹は別の子供を虐殺するべく去っていった。 「そこでゆっくりしんでね!!まりさたちはばっちぃあかちゃんをころしてあげるからね!!」 「やめでっ!!いがっ…ないでっ!!れいぶのっ…あがぢゃん゛!!ごろっ…ざっ…ないでっ!!」 形が崩れてしまった母れいむは、もはや自力で移動することも出来ない。 びくっと痙攣するたびに、全身の傷という傷から餡子をびゅっと吹き出した。 それでも絶命はしていない。母れいむの身体の中には、十分な量の餡子が残っているからだ。 目の前で殺されていく赤ちゃん達。 汚い汚い、気持ち悪い気持ち悪い、と罵られながら無残にも命を奪われていく。 降り注ぐ餡子を浴びて狂喜乱舞する野生のゆっくりたち。 そんなゆっくりたちの中で、特に活躍した12匹に…僕はバッチを与えた。 そして…奇形ゆっくりの悲鳴が聞こえなくなった。 言うまでも無く、それが意味するのはたったひとつの事実である。 僕は奇形ゆっくりの死体を集めさせ、餡子を吹き出しながら震えている母れいむの目の前に積み上げた。 合計12匹のゆっくりの残骸。 僕から見ればただの餡子の山だが、母れいむにとってはかけがえの無い子供たちの亡骸である。 「い、いまだすげであげるがらね゛!!まだまにあ゛う゛がらね゛!!ゆっぐりうごいでね゛!!」 傷が少し回復したのか、母れいむは焦点の定まらない目のまま亡骸の山へと這いずっていく。 奇形児しか産めない身体…そのせいなのか、母性は通常では考えられないほど強いようだ。 「だいじょうぶだよ゛!!みんなまだいぎでるよ゛!!だがらゆっぐりうごいでね゛!!」 餡子の山に自らの身体を擦り付ける母れいむ。 しかし、その山は決して動くことは無い。餡子の山が自力で動くわけが無いのだから。 一度消えた命は元に戻らない。皮をズタズタに切り裂かれて散ったゆっくりなら尚更だ。 「いますぐあんこをもどぜばなおるがらね゛!!はやぐげんぎになっでね゛!!」 そう言って餡子を口に含んで子供の皮に戻そうとするが…その皮が見当たらない。 当たり前だ、さっきの虐殺でほとんどの赤ちゃんの皮はバラバラに飛び散ったのだから。 一方周りのゆっくり達は、気が狂った母れいむなどまったく気にせずゆっくりしている。 「ゆ゛!!ゆっぐりしてないでてつだってよね゛!!はやぐじないどておぐれになるよ゛!!」 その言葉が、周りのゆっくりの怒りに触れたのだろう。 バッジをつけたゆっくりまりさが前に出て、母れいむを突き飛ばした。 「ゆぎゅ!!なにずるの゛!?あがぢゃんをだずげるんだがらじゃまじないで!!」 「きたなくてきもちわるいあかちゃんはみんなしんだよ!! みんなできょうりょくしてころしてあげたんだから、ゆっくりかんしゃしてね!!」 そう言って、ふふんと胸を張るまりさ。バッジがきらりと光った。 汚いゆっくりを殺して、ご飯までもらえる。一石二鳥だ、とでも思っているのだろう。 だが、その言葉は母れいむには届かなかった。 「ゆ゛!!みんなてつだっでぐれないけど、おがーざんがたずげであげるがらね゛!! げんぎになっだら゛いっじょにおうたをうたおうね゛!!おがーざんがおじえであげるがら゛!!」 身体を擦り付ける、その動作を止めた母れいむ。 僕はそんな母れいむにゆっくりと歩み寄る… 「いい゛?ごううたうんだよ゛!! ゆっゆっゆ゛~!!ゆ゛ゆ゛ゆっゆ~!ゆ゛ーゆーゆ゛ーゆっゆ゛ー!!ぶぎゅえっあ゛!!??」 耳障りな歌は途中で途絶えた。 僕の拳が母れいむを押しつぶし、盛大に餡子をばら撒いて絶命したからだ。 別に母れいむを哀れんだわけではない。ここまで壊れるともう楽しめないから、消しただけだ。 あと…母れいむの歌が聞くに堪えなかった、というのもある。歌唱力的な意味で。 「さて、バッジをつけてる人はお兄さんの周りに集まってね!!」 大声で呼びかけると、期待に胸を膨らませた12匹が一瞬で集まってきた。 散々待たされたけど、ついにご飯がもらえる。いったいどれだけ貰えるんだろう! 口には出さないが、表情にはそう書いてある。 でも、その期待は…残念ながら現実にはならないんだ。 「この12人は頑張って汚い赤ちゃんを殺した、とても………悪いゆっくりだよ!!」 「ゆゆっ!?なにをいってるの!?」「ゆっくりせつめいしてね!!」 うろたえるのは当然12匹のバッジをつけたゆっくりたちだ。 汚いゆっくりを頑張って殺したのだから、きっと褒められるに違いない…と思っていたのだろう。 混乱していて状況を理解できない周りのゆっくりに向けて、僕はさらに説明を続ける。 「バッジをつけたゆっくりはとても悪いゆっくりだよ!!そんなゆっくりとはゆっくりできないよね!!」 「いやだぁぁぁぁぁぁぁ!!!どおじでぞんなごどいうのおおおぉぉぉぉぉぉ!!!」 自分の存在意義を否定され、涙する12匹。 自力でバッジを取ろうとするが、しっかり固定されていてゆっくりの力では絶対に外せない。 周りのゆっくりは、僕の言葉に無言で耳を傾けている。 バッジをもらったゆっくりに対する嫉妬は、もう消えうせていた。 そして… 「“ニセモノ”のバッジをつけてる、この悪いゆっくりを皆で協力して殺してね!! 頑張って殺した人には、ホンモノの“バッジ”をあげるよ!!ご飯がたくさん食べられるよ!!」 「ゆっぐりいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃや゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 「ばっじほしいよ!!わるいゆっくりはゆっくりしんでね!!」 「わるいゆっくりをころして、ばっじをもらうよ!!わるいまりさはゆっくりしね!!」 そして再び始まる、一方的な虐殺。 僕はゆっくりの殺し合いを、ゆっくりと眺めることにした。 「ゆっぐりじだがっだよお゛お゛お゛お゛お゛ぉぉぉぉぉぉ!!!」 あとがき 「ごはんたくさんあげるから、仲間を殺してね」 ってだけだとよっぽど空腹じゃない限り同属殺しはしないと思った! でも奇形ゆっくりと悪い(と思い込ませた)ゆっくりだと、ついつい殺しちゃうんだ! 自分がいいことをしてるっていう免罪符に似た思い込みがあるからね!! それにしても、これがぬるいと思っちゃう俺は末期だね!! 作:避妊ありすの人 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2203.html
ゆっくりゆうぎ ある日、俺はゆっくりを放し飼いにしている庭で奇妙なゆっくりを見つけた。 「ゆっくりちからくらべしようね!そぉーれゆっくり!ゆっくり!」 そのゆっくりは額に角が生えていた。他のゆっくりを追いかけまわしている。 「ゆゆ!もっとゆっくりしてね!それじゃゆっくりできないよ!」 「なにいってるの!ちからくらべ!ちからくらべしよう!」 逃げ回るれいむに素早い動きで追いつき、激しくすーりすーりしようとする。 すりすりというよりはずりずりという感じだ。 「ゆぶっ!もっと……ゆっくり……」 「れいむはよわいね!ほらもっとゆっくりがんばってね!!」 「もうやめでええええ!!!」 「それそれ!ゆっくりゆっくりゆっくりぃぃぃ!!!」 何この新種。 「ゆぎゅぎゅぎゅぎゅぅぅぅぅ!!!」 「はーい、そこまでー」 俺は阿鼻叫喚のるつぼと化した庭へと踏み入った。 新種は今まで絡んでいたれいむを放り出しこちらを振り向く。 「ゆっ!ほねのありそうなにんげんがきたよ!ゆうぎとちからくらべしようね!」 新種は俺の足元へ跳ねてくると、足に対して攻撃してきた。 「ゆっくりゆっくりゆっくりぃぃぃ!!!」 「………」 やはり所詮はゆっくり。口で言うほどの力はないのだった。 「ていっ」 足を軽く振っただけで「ゆべふっ!!」と吹き飛ぶ新種。 「なかなかやるね!おもしろくなってきたよ!ゆっくりぃぃぃ!!!」 再度飛び掛ってくる。 「なんつうか……暑苦しい奴だな……」 * * * * 「ゆうぎのなまえはゆうぎだよ!ゆっくりちからくらべするよ!」 さっきからずっとこれだ…庭のゆっくり達はおびえて物陰に隠れてしまっている。 「おにいさん!そいつをゆっくりおいだしてね!」 「ゆっくりできないよ!」 「ゆっくりひとのはなしをきいてね!!」 それはお前らもだけどな。 「まあまあ、そんな事いわずに仲良くしてあげなさいよ」 俺は飛び掛ってきたゆうぎを手で掴むと、物陰で口を尖らせるゆっくりどもの方へ投げる。 「しょうぶ!しょうぶ!ゆっくりゆっくりゆっくりぃぃぃ!!」 「ゆあああんん!!!」 半刻ほども暴れた後、ようやくゆうぎは沈静化した。 「ゆゆゆゆゆ……」 「どぼちてゆっくりざぜてくれないのぉぉぉ……」 あたりは死屍累々たる有様だ。 「いいしょうぶして、すっきりー!!」 そりゃあお前はそうだろうがね。 「まずは、ゆうぎの鼻っ柱を折ってやることが第一と考えました」 誰に説明してるんだ?俺… ともかく、ゆっくりれみりゃを檻から出し、ゆうぎと対面させてみた。 「うー☆めずらしいゆっくりだどぅ~♪たっべちゃうどぅ~♪」 ぎゃお~☆と威嚇するれみりゃ。しかし、相手の反応はいつもと違うのだった。 「ゆゆ!あいてにとってふそくはないよ!わくわくしてきたよ!! ゆっくりぃぃぃぃ!!!!」 天敵であるはずの、自分より何倍も大きい体付きのれみりゃへ突進するゆうぎ。 「あう~?おちびちゃんのぶんざいでぐれいとなおぜうさまにたてつくなんておろかだっどぅぅ~☆ おもいしらせて……うぁ?」 あ、角が刺さった。 「う゛あ゛~!!いだいどぅ~!!」 「そぉれゆっくり!ゆっくり!ゆっくりゆっくりゆっくりぃぃぃ!!」 れみりゃはじたばたと逃げ惑う。 「い゛だい゛の゛やぁだどぅぅーー!!」 実際の痛みはそれほどでもないのだろうが、想定外の反攻に恐慌を起こし、 まるでふらんにいじめられている時のように縮こまってしまうれみりゃ。逆にゆうぎの方は気迫充分だ。 「おっきいくせにだらしないよ!もっとゆっくりちからくらべしようね!!」 「や゛へ゛て゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛~!!」 勝負はあっけなく決した。 「う゛う゛う゛…」 「ゆうぎのかちだね!!」 「つ゛の゛つ゛の゛こ゛あ゛い゛どぅ゛……」 通常種に続いてれみりゃまでも心的外傷を負ってしまったらしい。 知り合いにはゆふらん持ちもいるが、この調子ではうっかり勝ちかねない。対面させるのはやめておこう。 「うーむ、与えられた特権的地位に安住するだけではいかんということさなぁ…」 憐れを誘うれみりゃの姿を見て、俺は無意味にそう思ったのだった。 それからどうなったのかというと。 「しょうぶ!しょうぶ!」 ゆうぎはそのまま家に定着した。 「やめてね!!ゆっくりできないよ!!」 大抵は一方的に勝負を持ちかけては周囲のゆっくりを困らせているが、 俺が相手をしてやって程よく勝負欲を発散したあとでなら、他のゆっくりとゆっくりすることもある。 俺は今まで隔離していたれみりゃも庭に放つことにした。 ゆうぎは俺に次ぐ実力者としてれみりゃを認識しているため、好んで勝負をもちかける。 そのため他のゆっくりの被害軽減に役立つのだ。 「ゆゆっ!れみりゃだ!!れみりゃしょうぶだよ!!」 「おぜうさまはいないいないだどぅぅぅ~!!」 頭をかかえて丸まり、いないふりをするれみりゃだがそんなことをしても無駄だ。 「ゆっくり!ゆっくり!」 なすすべもなくゆうぎの猛攻にさらされるれみりゃ。 「あ゛う゛ぅ゛~!!!」 「れ゛い゛む゛!!ま゛り゛さ゛ぁ゛!!た゛す゛け゛て゛ほ゛し゛い゛ん゛だどぅ゛ぅ゛ぅ゛!!!」 通常種とれみりゃの間には、反ゆうぎ同盟とでも呼ぶべき協調体制が生まれていた。 「れいむのかわりにゆっくりあいてしてあげてね!!」 「まりさよりつよくておおきいれみりゃならだいじょうぶなのぜ!! めいしょうぶをきたいしてるのぜ!!」 この程度のものだが。っていうかまりさ煽ってんじゃねえ。 「そうだどぅ!とんでにげるっどぅ~!!れみりゃあたまいいどぅ~♪」 おお、よく気づいたぞれみりゃ。かれこれ三日も前から気づくのに期待してたんだが。 「ゆゆっ!!にげるとはひきょうだよ!!ゆっくりおりてきてね!!」 しかし心配はいらない。れみりゃを放すにあたり、敷地を覆うように網を張ってある。 いつまでも逃げ続けることはかなわないのだ。 いくらもしないうちに滞空能力の限界を迎えるれみりゃ。 「う゛ぁぁ~!う゛ぁぁ~!つかれたどぅぅぅぅ~!!」 「はやくおりてきてしょうぶしようね!!ゆっくりまってるよ!!」 泣き叫びながら懸命に翼を動かすれみりゃ。ヒャァ!たまんねぇ!これが見たくて三日も仕事休んだ甲斐があったぜ! 「や゛だどぅ!や゛た゛どぅ゛ぅ゛ぅ゛!!!!」 だんだん高度が落ちてくる…あ、落ちた。すかさず突進するゆうぎ。 「もうやだどぅぅぅぅーーー!!!たずげでじゃぐやぁぁ~!!!!!」 「ゆっくりぃぃぃぃぃ!!!!!」 ゆうぎの勝ち鬨が、庭に響いたのだった。 おしまい。 □ ■ □ ■ このお兄さんは虐待にも飽きてしまった”観察”お兄さんです。 あまり自分では手を下さず、勝手に面白行動を取るゆっくりを眺めて楽しむ的な。 俺も庭にゆっくり飼って隠棲したいよ… 読了ありがとうございました。 今までに書いたSSです。よかったらどうぞ 豚小屋とぷっでぃーん 豚小屋とぷっでぃーん2 エターナル冷やし饅頭 れみりゃ拘束虐待 無尽庭園 ゆっくりできない夜 ゆっくりぴこぴこ 何かがいる 踊り師とれみりゃ 小ネタ-瓶ゆっくり このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1698.html
幻想郷。 失われた自然といまだ人が共存する地。 大地の恵み、川の恵み、風と雨に立ち向かい、その猛威を畏れ、恩恵に感謝する。 自然と対峙し、ときに糧を得るべく狩り、または育む。 人が自然の中に生きるために狩るもの…それは、ゆっくりと呼ばれる存在であった。 この村には風変わりな家がある。この家には一人の男が住んでいる。 村の規模はまだ小さく、発展の途上にあることが十分に伺える。頑丈な、これだけはまずしっかりと拵えた柵の内に村人は家を建て畑を耕し、しかし、この男と幾人かの村人は農民の生活に合わせず、 朝は遅くまでベッドの上、夜はいつ帰るともしれず、それでいて男を見る村人の眼はいつも尊敬の念にあふれていた。 そんな男の家は村の中心にあり、村長の家をしのぐ大きさを誇る。ただ、その形が異様だ。大きな台形のような外見で、二階には大きな窓が二つ、屋根は真っ黒に塗られ、天井は高く尖り、家の後ろには波打った藁のようなものが垂れていて、 近くで見るとつるつるとした壁肌が、村からゆっくり離れて、段々とその形が周辺の者なら誰でも見覚えある形にまとまって見えてくる。大きな、大きな、ゆっくりまりさの形に。 この男の家はゆっくりでできていた。 村の中で異彩を放つ、その家は庭のようにちょうど周囲を取り巻く柵を境に、ゆっくりを丸ごと家に改造したものなのだ。 かつて村を襲った脅威の一つ、10m級ドスまりさを剥製化して、職人を招き、住居として手を加えたもの。 あんぐりとあけっぱなした巨大な口には、すっぽりと豪奢な鉄のドアを嵌め込んで。 目の部分は二つの円窓を誂え。 皮は、樹脂とゆっくりの餡子を練りこんだ特製の油を塗りこみ、コンクリートのように硬化処理し。 風船のようにぷっくりと広げた内部は餡子を残らず抜き取って大黒柱と支柱を数本立て、床には絨毯を敷き詰め。 帽子と髪の毛も腐敗処理を施して屋根として利用してある。 この家はまさしく、「ゆっくりの家」だ。 そんな奇妙な家の内装もまた、あらゆるものがゆっくりで作られていた。 成体のゆっくり各種を背中から切り開き、餡子を抜いて代わりに綿を詰めて縫い合わせたゆっくり縫いぐるみ。 生きたままのゆっくりの頭部に穴をあけ、花の種を植えたゆっくり植木鉢。これはゆっゆっと掠れた声でぴょんぴょん跳ねながら、頭の花をゆらゆら揺らしている。 柱に打ち付けられたゆっくり時計。膨らんだ腹部に鳩時計と同じ仕掛けを施し、定時になると生まれたての赤ん坊ゆっくりがぽーんと転がり出てくる。 箪笥や、床に置いた道具箱などもゆっくりから拵えたものばかり。 なぜ、これほどにゆっくりにこだわるのか。男にしてみると、こだわるとかそういった問題ではなかった。ただ、生活に関わるあらゆるものが、ゆっくりであっただけで… この男の職業は、ゆっくりハンターだから。 人口は百足らず。時折訪れる行商人とのわずかな交易と狩りの成果に頼る小さな村は、つい最近の開拓によって作られた。 都市を出て郊外を離れ、ずっと森の中に分け入ったさらに先、自然の趣たっぷりな平野に新天地を求めた人々によって築かれた。 だが、そこは伝説でしか知られない不自然の脅威にさらされる地だったのだ。 大きな森や山に必ずいるという、生まれつきの素質をもつ個体が、強運と狡猾さで生き延びて、群れを支配するまでに巨大化した、ドスまりさ。 都では滅多に確認されない、ドス級の巨体に加え、鮮やかな桜色のリボンがトレードマークのれいむ種、リオれいむ。ドススパークに匹敵する火炎球を放つという。 姿かたちは元の種と変わらず、やや大きめの体に人間でも追跡できぬ異常な素早さと凶暴性を秘めた、ちぇんクック。さらに凶悪なちぇんガルルガなる種も噂に語られる。 遠目からでも、地響きと20mという巨体ゆえに目立つ、ティガれみりゃ。 それ自体が一つの山と数えられ、もはや災害そのものにまで増長し、都の防衛庁が対策を講じねばならぬという、ラオシャンみょん。 もはや伝承ですら語られることも稀な、 伝説に忘れ去られた古代の知識を身に着け、天を裂き山を揺るがし、自然現象を操る超常の種、ミラボレぱちゅ。 ……………………………………………………………………………………………………………………………………………………… 辺境の村はどこもゆっくりの脅威に晒された。ある村は蝗の様に襲いかかるゆっくりの大群に畑を食い尽くされ、ある村は見たこともない巨大なゆっくりに家を踏み潰され、村があった場所はもはやただの平原に変わったという。 ゆっくりを対処する手段が求められた。ゆっくりを研究し、ゆっくりにのみ通用する毒やゆっくりの本能を刺激して罠にかける方法が編み出された。だが、それだけでは足りなかった。 小さなゆっくりには人的手段が通用したが、災害に等しい巨大種には常人では対抗しきれない。 そうして立ち上がったのが、ゆっくり虐待派と呼ばれた青年たちだった。はじめ、彼ら彼女らは生き物を無残に遊び殺すと忌避された。しかし、ゆっくりを様々な方法で玩ぶうちに、虐待派はゆっくりのあらゆる特性を学んでいった。 彼ら彼女らはただゆっくりを殺害する手段だけではなく、生活に役立つ道具としてゆっくりを加工する手段も編み出していったのだ。 いつの間にか、森に棲むゆっくりを狩り、ゆっくりから武器や防具を加工して、仲間同士で連携して巨大種を倒す技を身につけた者を 「ゆっくりハンター」 と呼び、いまや開拓村、辺境の町ではなくてはならない存在となった。 ハンターには素質が必要だ。それはゆっくりを傷めつける虐待の精神がなにより重要とされる。 ゆっくりは極めて世代交代のサイクルが短い。また、個体自体の「進化」と他の生命体なら呼ばれるだろう環境への適応能力もまた著しく高いのが特徴である。 その最たる例が、『虐待などで過度のストレスを長期受け続けたゆっくりの餡子は非常に甘くなる』というものである。 これは殆どのゆっくりに当てはまる、環境への自己適応である。 ハンターはゆっくりを狩り殺すだけが能ではない。生業として成立するために、ゆっくりから様々な道具を作り出す知識を身につけている。ゆっくりにかける負荷の度合いや部位によって、硬度や弾力性に変化を持たせることで、 巨大種の皮や餡子、または眼球や舌などから衣服、調度品、薬品、そしてハンターがゆっくりを狩るための武具を作り出すのだ。 ゆっくりを狩る者にも色々いるが、(都では、身長を超えるような大きな玄能を嬉々として振り回す少女のハンターがいるともっぱらの噂だが)時には、胴体付きゆっくりを捕獲して調教ないし教育し、 ペットや使用人、あるいは狩りの手伝いをする助手として利用することもある。 この開拓村に、ゆっくりの家を造って暮らす男は、随一のハンターである。討伐、捕獲、採集、あらゆる依頼をこなし、かつてはラオシャンみょんの進行を阻止する要塞戦で勝利を収めたほどの猛者だ。 日が沈み、夜が訪れる頃。 男の家に客人が現れた。村長だ。曲がった腰を杖で支え、ドアをゆっくり叩いた時、男はちょうど食事の時間で、飼いゆっくり(ピンクと白の縞々帽子をかぶせたまりさ)を撫でながら、コックのれみりゃが作った小籠包を味わっていたところだった。 村長の用事はわかっていた。それは依頼だ。 「急ですまんがの。また森のほうでゆっくりがあらわれたそうじゃ。行商人が依頼を持ってきた。なんでも近く都のほうで新しい建設の計画があるそうじゃが、その付近で凶暴なゆっくりが群れをつくっとるそうじゃ。都から派遣されるハンターと共同で討伐してくれとの。」 男はそれだけ聞くと、口元の肉汁を拭い、膝の上のゆっくりを払い落して無言のまま、壁に掛けた武具を取り出し装着した。 彼が身につけるのは、かつてラオシャンみょんを討伐した際、剥ぎ取った表皮を乾燥させ、薬品に漬けこむことで銃弾の衝撃を吸収するほどの耐衝撃性をもたせたものを甲冑として鍛えた「暁丸」、 武器はラオシャンみょんの牙を削った太刀「楼観剣」である。 準備が整うと、村長が手配したゆっくり車(底部に車輪を取り付け、横長に変形した2m級のドスまりさ二体が牽引)に乗り、鞭を振るった。 ひぃっと小さく声を上げると、ドスまりさがゆっくりと移動を始めた。 地図に示された狩り場に辿り着くのは深夜。もっとも狩りに適した時間だ。それまで男は休息を取るべく目を閉じた。ハンターの習性ゆえに、男はすぐに眠りに落ちた。 目が覚めた時には、非情かつ冷酷なハンターがそこにはいるだろう… (続く) おはようとそしてこんにちは、それからこんばんは VXの人です。 どうしても書きたかった。後悔はしてはいけないと信じてる。シンジテル。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/174.html
早苗から相談を持ちかけられた時、魔理沙にはそれがどういう内容か何となく見当がついていた。 早苗がゆっくりを可愛がっているのは魔理沙も耳にしている。大方、今回の相談もゆっくりに関した事だろう。 「それで、相談っていうのはなんなんだ?」 座布団の上に腰を下ろし、話を促す魔理沙。早苗から早々に出された羊羹は、既に食べ終わっている。 「はい……。実は、ゆっくりの事なんですが……」 やっぱりか、と心の中で呟く。 「どうした? 長い間飼ってたら鬱陶しくなってきたか? 鬱陶しいなら食べるに限るぜ!」 「そ、そんな事ないです! あの子達は可愛らしいですよ! それを食べるなんて……」 魔理沙のセリフに早苗の返事は怒りの込められたものだった。 普通ならあり得ない反応に魔理沙は心底驚く。 幻想郷でゆっくりといえばその言葉とは裏腹に、煩い、鬱陶しい、ストレス解消玩具で知られるまんじゅう型のナマモノの筈だ。少なくとも魔理沙の周りにあれを可愛いと思っている奴なんて1人もいない。良い感情を持つとしてもせいぜい美味しいぐらいだ。 てっきり早苗も食用として飼っていると思っていたのだが、まさか愛玩動物として飼っているとは思わなかった。 魔理沙は素直に思った。物好きな奴だ、と。 「それじゃ、何が問題なんだよ?」 「実は……ゆっくりが大きくなってしまって……」 「ああ、あいつらはすぐ大きくなるからな」 魔理沙の脳裏に、紅白色のふてぶてしい顔をしたまんじゅうが何体か浮かぶ。どのまんじゅうも、霊夢に叩きつぶされたものだ。 切り出しづらいのか言い淀むが、たどたどしく早苗は話を続けた。 「はい……すぐ大きくなるんですけど……ちょっと違ってて」 「違うって、大きくなるに違いなんてあったのか? 初めて知ったぜ」 「ええ、その……大きくなりすぎてしまって……」 「なんだ、可愛がりすぎだぜ。どのぐらいになったんだ?」 「えっと……これぐらいです」 早苗は指を一本立てた。 「1メートルか。よくもそんなに育てたな」 呆れた様子の魔理沙に、慌てて早苗が答えた。 「あ、いえ違うんです。これは数字とかじゃなくて……」 早苗は指を立て、そのまま上に動かした。 「この部屋の天井に当たるぐらい……」 「なんだって?」 魔理沙はまず、早苗の正気を疑った。 なんてふてぶてしい姿なんだ……。 部屋に入り、まず魔理沙が思った事はそれだった。 取りあえず現物を見ないと何とも言えない魔理沙は、早苗の案内でそのデカゆっくりれいむのいる部屋へ足を踏み入れる。 部屋は10畳ほどある広々とした和室。壁際に押し入れがあるものの、普通なら静かにお茶を飲みながらのどかに過ごすための部屋なのだろう。 その部屋の半分を今、まんじゅうが征服していた。 「……でかいな」 「やっぱりそうですか……」 せっかく落ち着いて過ごせる筈の場所が、座っていればまんじゅうが気になり、気が散るようになっていた。 デカゆっくりれいむは、あまりにデカすぎてもはやまんじゅうの原型を留めておらず、もうまんじゅうというよりは部屋に出来た小さな山のようだ。現に顔もどこにあるのかよく分からず、その特徴的なリボンとまんじゅうの皮でどうにか判別出来るぐらいだ。 そのデカゆっくり山の側では、デカゆっくりの姉妹なのか、普通のゆっくりれいむ達が飛び跳ねながら「早く動いてね!」「早く遊ぼうね!」としきりに騒いでいた。 「この子達もこんな事は初めてらしく、こうやって心配していて……」 早苗の言葉に、魔理沙はれいむ達が心配して騒いでいるんだと初めて理解した。てっきりいつものように鬱陶しく自己中に動き回っているかと思ったのだ。 れいむ達を見ている内に魔理沙は「サッカーしようぜ!」と1匹ぐらい蹴り飛ばしてレヴァリエで突き刺したい衝動に駆られるが、その瞬間、魔理沙の知らない早苗を知ってしまいそうなので我慢した。怖い巫女は1人だけで充分だ。 「こいつ、喋らないのか? ゆっくりとも言わないぜ?」 デカゆっくりはこれまで一言も喋っていない。ゆっくりが出会って開口一番に言う「ゆっくりしていってね!」もなければ、姉妹達の言葉にも口一つ動かしていない。顔の位置はわからないが、どうも眠っているようにしか見えなかった。 「ちょっと大きくなった頃は普通に喋っていたんですが、大きくなるにつれて喋らなくなって……今だと食事時にご飯を持ってきたら口を開いてくれるぐらいなんです」 「贅沢な身分だぜ。変な物でも食べさせたんじゃないか?」 「普通に私たちと同じものを用意していたんですが……それが原因だったのかな」 魔理沙はだんだん頭が痛くなってきた。 普通ゆっくりに食べさせるのは、良くて残飯、普通で生ゴミ、悪くて食事時だけ外に放り出すという流れだ。普通なら食べられない金属類を無理矢理食べさせたなんて話も聞いたことはあるが、自分と同じご飯を用意した奴は聞いたことがない。 「どうすればこの子を元に戻せるんでしょうか……?」 「ああ……」 深刻そうな早苗の様子に、魔理沙は迷い始めた。 こんなにでかくなったゆっくりは初めてみたが、でっかくなった理由も、そして元に戻す方法には心当たりがある。しかしその方法は……。 「……早苗、このタイミングで相談したのは正解だったぜ」 「ど、どういうことですか……?」 魔理沙はデカゆっくりのまんじゅう肌に触りながら、 「これはな、妊娠しているんだ」 早苗の思考回路は停止した。 「え?」 「ここまで大きい奴は私も初めてみたが、ゆっくりがこんなに大きくなる理由なんてそれしかないぜ」 真面目な口調の魔理沙に冗談で言っていないと理解した早苗は、なんと返したらいいか悩んだ。ゆっくりが妊娠するなんて考えもしなかった事だ。いやそういえば、以前はずっと仲良くしていた別のゆっくりがいたけど、最近姿を見ないような……。 あれこれ考え、取りあえず浮かんだ事を口に出した。 「……お、おめでたいですね!」 「そうだな、普通ならおめでたいかもしれないが……」 早苗の言葉に笑いもせず、魔理沙は話を続けていく。 「ゆっくりが生む赤ちゃんの数は、そのゆっくりの大きさに比例するんだ。詳しくは私も知らないが、どうも中身のあんこに徐々に皮が付き始めて小さな子ゆっくりになるらしいぜ」 「そ、そうなんですか! 初めて知りましたそんなこと!」 「知ってたらむしろ驚くぜ。これだけ大きかったら、平然とはしてられない筈だからな」 「……え?」 「生む子供の数は大きさに比例するって言っただろ? ゆっくりは体の中で出来た子供を口から吐き出して出産するんだが、それは体の中身を吐き出すようなものだぜ? 激痛だろ。私が見た大きさでも、全部生んだ頃には瀕死になっていたからな」 「それって……それじゃ」 「このまま出産させたら死ぬな、このゆっくり」 自分の聞き間違えかと訪ねるが、魔理沙からは同じ言葉しか返ってこない。 早苗は自分の顔から血の気が引いていくのを感じた。 「たくさんの子供が欲しいなら、このまま放っておけば──」 「い、嫌です!」 魔理沙の言葉を振り払うように早苗は叫んだ。魔理沙に助けを求め、縋りつく。 「あるんですよね魔理沙さん! この子を助ける方法、あるんですよね!」 「……」 「魔理沙さん!」 「……ある」 早苗の顔が一瞬にして豹変した。目が見開き、後光でも差したかのように魔理沙を見つめている。 その表情の変化に魔理沙は焦った。 どれだけゆっくりが大切なんだこいつ……。 「ほ、本当ですか?」 「ああ、本当だぜ。ただこれだけでかいとかなり辛くなるが、それでもやるか?」 「元に戻るなら何でもします」 「それじゃ……まずは家に帰って道具を取ってこないとな」 さっさと行ってしまおうとする魔理沙。しかし早苗に腕を掴まれ、動けない。 「それで、ど、どんな方法なんですか!」 押し迫る早苗。一筋の冷や汗が魔理沙の顔から流れ落ちる。 「……ああ、それはな」 魔理沙はもう隠そうとはせず、はっきりと内容を伝えた。 デカゆっくりはゆっくりしていた。この上なくゆっくりしていた。 今の自分は昔のように飛び跳ねる事は出来ない。喋る事も出来ない。 それは子供が出来たから。 動けない事や喋れない事は苦にならない。今こうして子供が生まれようとしているのは嬉しいし。自分のお母さんもきっと喜んでくれるからだ。 デカゆっくりが思い浮かべているお母さん。それは早苗の事だった。 外敵に襲われ、姉妹そろって瀕死になっているところを助けてくれたお母さん。1匹の時は一緒に遊び、4匹が一緒に楽しそうにしている時は遠くから見守ってくれる。毎日美味しいご飯を用意してくれて、1匹でも居なくなっていたら深夜でも見つかるまで一生懸命探してくれるお母さん。一緒にゆっくりしてくれるお母さん。 そんなお母さん的な存在の早苗に喜んでもらいたい。デカゆっくりはそう思いながらゆっくりしていた。 「大丈夫か? 震えてるぜ?」 「は、はい! 大丈夫です!」 「他のゆっくり達はこの近くにはいないんだよな?」 「はい。魔理沙さんが準備しに帰った後、言われた通り遠ざけておきました……」 「上出来だぜ」 ふと、話し声が聞こえてきた。徐々にはっきりと聞こえてくるので、こっちに向かって来ているんだなとデカゆっくりは思った。 ご飯の時間にはまだ早い。また心配してやってきたんだろうか? ゆっくりしていれば良いのに。自分が大丈夫なのは自分が一番よく知っている。 お母さんを悲しませているのは辛いけど、デカゆっくりは気にしないで、変わらずゆっくりすることにした。 部屋の襖が開かれ、2人が入ってくる。 「あらためて見てもやっぱりでかいぜ。早苗、準備はいいか?」 「は、はい! 頑張ります!」 叫ぶとともに、決死の表情でデカゆっくりに近づいていく早苗。 目の前までいくと、その場で何度か深呼吸をする。決心はした。しかし躊躇せずにはいられない。 臆病になりそうな自分の心を必死に支えながら、早苗は構える。 その手には、光沢の目立つ金属バットが握られていた。 「ええぃ!」 「ぐぼぁっ!」 それまでゆっくりしていたデカれいむの顔が凍り付く。 突然伝わってきた衝撃に、デカゆっくりは大量のあんこを吐き出した。 「ひ、ひぃっ!」 ぼとぼとと口から落ちてくるあんこ。思わず早苗は手を止めてしまう。 「手を止めるなよ、続けないと元に戻らないぞ」 「は、ハイ!」 慌ててバットを握り直し、大きく振りかぶってデカゆっくりの体を殴打す る。 「げぼぇあっ!」 ゆっくりしすぎて喋れなくなっているデカゆっくりは悲鳴が出せない。ただあんこが吐き出される時に、口から音が聞こえるだけだ。 ゆっくりは何をされているのかわからなかった。あれほど優しく自分達とゆっくりしてくれたお母さんが、どうしてこんな苦しいことをするのか。叫んで止めたかった。「ゆっくりさせて!」と叫びたかった。 「まだまだ大量にあるが、あんこは全部吐き出させるなよ。子供用のあんこは全部吐き出してもいいが、生命維持するためのあんこまで出したら死ぬぜ」 「ハイ! えい、えいえいえいえい!」 「ぎゅごげぎゃごごじゅばう゛ぉええぇっ!」 早苗がバットを振るたびに吐き出されていくあんこ。飛び散ったあんこが早苗の顔を、服を汚していく。 このあんこの一つ一つが、ゆっくりの子供みたいなものだ。 気づけば、早苗の顔には涙が浮かんでいた。 「えぃ! うぅ……えぃ! え゛ぃっ!」 「早苗、振りが弱くなってるぞ。助けたくないのか?」 「たずげまず!」 強く振り抜いたバットはゆっくりの体を大きく凹ませ、大きなバットの跡をつけていた。 「頑張らないと、このゆっくり死んでしまうぜ。それともこいつは見捨てて新しく生まれてきた子を育てるか?」 「いや゛です! この子の代わ゛りな゛んでいま゛せん!」 何度も何度も殴打する。「ぐぎょぎゃ!」「ぎょぎゅえっ!」と押し出されていくあんこは、ゆっくりの替わりに畳の上へ山を作ろうとしていた。 「早苗にとって家族のような存在なんだろ?」 「そうでず! 神奈子様や諏訪子様とばまがっう、わたしのかぞぐでず!!」 早苗の顔はあんこと涙でぐしゃぐしゃになっている。それでも早苗は手を休めず、ひたすら目の前のデカゆっくりに金属バットを振り続けた。 「ぐぉげぁ……ゆ゛、ゆ゛ぐ゛り゛っ」 「……えっ?」 思わず、早苗の手が止まった。 「ゆ゛っぐり゛ざぜでよ゛ぉっ!!」 「……ま゛、ま゛りざざん! 喋ってぐれま゛じた!」 「ああ、喋れるぐらいには吐き出したみたいだぜ!」 喜びはしゃいでる早苗がゆっくりはわからない。ゆっくりさせてと言っているのに、どうしてお母さんは邪魔をするの? 「だ、だずげでぇ……っ!」 「ご、ごめ゛んね……っ、でもごれも貴方のだめなのっ!」 また一つ、ゆっくりの体にバットの跡がつけられる。 「いだいよぉおぉっ、くるじいよぉおぉおっ!」 「ごめんゆっくり、がま゛んじてっ! がんばっでずぐすまぜであげるがら……っ!」 「れ゛いぶのあ゛かぢゃんじんじゃう゛よぉっ!」 「えっ!」 早苗はデカゆっくりが、自分が妊娠したことを理解していないと思っていた。あれだけ心配しても何も言わず、焦ることなくゆっくりしていたので、てっきり大きくなった理由なんて気にしないでゆっくりしているのかと思っていた。 でも実際には、赤ちゃんが出来て喜んでいた。産もうと思っていたゆっく りがいた。 その赤ちゃんを、今自分が殺している。 止めどなく涙があふれて来る。罪悪感と後悔が自分を襲う。 「うっ! うぅ……っ」 「だずげでよぉっ! やめ゛でよっ、おがあ゛ざんぅぅぅっ!」 「うっ……!」 「よ゛ろごんでよぉぉお゛ぉっ、おがあ゛じゃんぅぅっっ!!」 「うあ゛あ゛ぁぁあ゛あ゛ぁあ゛あ゛ぁぁあ゛っ!!」 早苗はデカゆっくりの言葉を振り切るように、必死にバットを振り続けた。 「……うっ……う、うぅっ……!」 「……」 「うあっあああ、ひぃっ!」 「……ほら、泣くなよ早苗」 床に座り込み泣き続ける早苗。その目の前には山となった大量のあんこ、そして吐き出すものを吐き出し、皮が余りまくったデカゆっくりが横たわっている。顔の位置は相変わらずわかりづらいが、どこからか「ゆっ……、ゆっ……」と聞こえてくる。瀕死だが生きてはいるらしい。 魔理沙は泣きやまない早苗の肩に手を置いた。 「赤ちゃんはまた作れるぜ、だけど死んでしまったらそれまでだろ?」 「はい……はいっ……!」 「今は泣くより、このゆっくりをちゃんと治してやる方が先決だぜ?」 「はい……はいっ!」 返事はするものの泣きやまない早苗。しかし泣きながら立ち上がると、目 \の前にあるゆっくりの皮を破れないように畳み始めた。 魔理沙は適当にまとめて持って行くのかと思っていたので、こんな時でも 几帳面な早苗に少し笑ってしまう。 「これだけ大きいといつになるか分からないが、皮は徐々に小さくなっていくからな」 「はいっ、……ぐずっ」 泣きながら、出口の襖へ向かう早苗。 「このあんこはどうするんだ?」 「……こ、この子のこどもだから、あとで埋葬してあげまず……」 「そうか」 その言葉を最後に魔理沙に背を向け、早苗は静かに去っていった。 「……ゆっくりのどこがそんなにいいんだか」 ぽつりと呟くと、魔理沙はあらためて部屋を見渡していく。あんこが一面に広がって甘ったるい空間。早くこんな所からは出て行きたいところだが、魔理沙にはまだ確認しないといけない事があった。 魔理沙はあんこを避けながら、壁際にある押し入れの襖へ手をかける。 そのまま襖を開けると、中には口を塞がれ、身動きがとれないように箱詰めにされたれいむ姉妹の姿があった。 準備があると家へ戻った振りをしていた魔理沙は、姉妹達が早苗から離れた瞬間に全員捕まえ、この押し入れの中へ隠しておいたのだ。 「聞こえたか? さっきの」 魔理沙の言葉に、しかし姉妹達はあまり反応を示さない。全員が全員震えながら涙を流している。 「その様子だと聞いていたみたいだな」 そのまま姉妹達を箱から出し、1匹1匹きちんと口を開けてやる。 「いいか? 子供なんて作ろうと思うなよ。あのでかいのみたいに潰されるぞ」 「やぁだぁ!!」 「れいむたちゆっくりしたいのっ!!」 「たすけてよおねいさんっ!」 「ゆっくりしたいなら子供を作らない事だな。お前達が子供を作ると迷惑な 奴らもいるんだぜ。神様とかな」 「わかった!」 「子供は作らないよおねえちゃん!!」 「ずっとゆっくりしていくね!」 そこまで聞ければ充分だ。どこまで守れるかはわからないが、ゆっくりを教育するにはやはり恐怖心を訴えるのがいい。 魔理沙は姉妹達を押し入れから出してやる。 「ようやくゆっくり出来るよ!」 「ゆっくりしようね!」 その時、魔理沙の頭に妙案が舞い降りてきた。 「……そうだお前達、腹が減ってるだろう」 「お腹空いたよ、でもそろそろお母さんがご飯くれるよ」 ご飯が出来るのが当たり前のようにいうゆっくりに魔理沙は腹が立った。むしろ食用のまんじゅうが、どこまで甘やかされてるんだこいつらは……。 「そのお母さんから言われているんだ。そこにあるあんこ、食っていいぞ」 「ほんとに?」 「ああ、私は嘘なんかつかないぜ」 魔理沙が早苗と仲良く話していたのを覚えているのだろう。対して疑いもせず、ゆっくり達は喜んであんこを食べ始める。もっと知能があれば、早苗が去り際になんと言ったか覚えていただろうが、ゆっくりには無理な相談だ。 「うめぇ」「メチャうめぇ!」と声が響く中、魔理沙はあんこくさい部屋から逃げるように外へ出る。 「やれやれ、神奈子の苦労がよくわかるぜ」 以前、話していた時に、「早苗のゆっくり溺愛はどうにかならないか」と愚痴っていたのを思い出す。もしあのデカゆっくりがそのまま子供を産んでいたら、神奈子はもう我慢出来なかっただろう。 あんこ食ってるゆっくりを見て、早苗もゆっくりがどういう奴らか考え直したらいいが。 魔理沙はそのまま箒に跨ると、自分の家に向かって飛び去っていった。 後日、魔理沙が早苗に会いに行くと、周りにいたゆっくり達が早苗を怖がるように震えている。 早苗とゆっくりの間に何があったのか、魔理沙は触れようとしなかった。 End 最後まで読んでくれてありがとうございます。 何かいい虐待ネタはないかと考えていたら、レスに茎が生えていく以外の繁殖方もそろそろ読みたいとあったので、それじゃお母さんれいむのでかさをシンプルに妊娠として腹バットを書いてみた。 なんだかゆっくり虐待というより早苗いじめに(ry 不満はありますが、腹バットと愛しているから叩くという微妙にアンビバな心理状態が書けたのは個人的に満足しています。 しかしなんで俺は気づいたら姉妹だか家族だかのれいむを虐待してしまうんだろう、わからない。 本当に虐待したいのはれみりゃなんだけどな……。 by 762 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/194.html
「ゆっくりサドンデス」 家に帰り、鍵を開けようとすると…何故か、鍵は開いたままだった。おかしい。朝、家を出ると きは確かに鍵をかけたのに。何より、蝶番に挟んでおいたシャープペンの芯が折れて、落ちている のだ。嫌な予感がする… 「なんだこれは?」 中に入ってみると、そこには無数の足跡のようなものがあった。しかし、普通の足跡とは違う。 少なくとも、人間の足跡ではない。形は…綺麗な円形だ。僕はこの足跡の主がどんな生き物か知っ ている。この数からすると…30匹ぐらいか。かなり多いな。 足跡はリビングまで続いている。ああ、おそらく僕の嫌な予感は的中するだろう。リビングに至 る廊下を歩き、ドアを恐る恐る開くと… 「これっ…はっ…!?」 言葉が喉に詰まった。大型液晶テレビ、高級ソファー、イタリア直輸入のガラス細工…他、部屋 中全体が荒らされていた。テーブルの上に用意しておいた夕食も、食べかすだけしか残っていない。 そして… 「「「ゆっくりしていってね!!」」」 総勢30匹のゆっくりたちが、神経を逆撫でする台詞で僕を出迎えた。僕はこぶしを強く握り締め る。いったい何がどうなってるって言うんだ!?こいつらはどうやって家の中に!? そんな中、一匹のゆっくりれいむがゆっくり3匹分だけ前に出た。 「おかえりなさい!!ゆっくりしていってね!!」 「……!!」 全国模試一位の応用力がある僕は、すぐに理解した。 このゆっくりれいむは、僕が愛玩動物…兼虐待動物として3日前から飼っているやつだ。多少虐待 しても30分もすればケロリと忘れてしまうから、ストレス発散の対象として重宝している。 家を出るときは、あらかじめ用意した夕食にガラスケースを被せて辞書を2冊ほど載せておいた。 だから、ゆっくり1匹ごときの力では夕食に口をつけることなどできる訳がないのだ。毎日そうする ことで、食べ物が見えるところにあるのに食べられないという苦しみを味わわせ続けてきた。 そして今日。ゆっくりれいむは部屋を跳ね回って遊んでいるうちに、玄関の扉を開けたのだろう。 外に出たゆっくりは仲間を呼び寄せ帰って来た。30匹もいれば辞書2冊の重さなど問題にならない。 僕の夕食を食べつくした後は、30匹が思い思いに跳ね回ってゆっくりしたのだろう… 「くそっ、やられた!!」 床を思いっきり殴りつける。その大きな音に、30匹のゆっくり達はびっくりして跳ね上がる。 「おにいさん、どうしたの!?」 「びっくりしたよ!!ゆっくりできなかったよ!!」 「びっくりさせないでね!!ゆっくりさせてね!!」 ゆっくりめ…こんな屈辱は生まれて初めてだ!! 「おにいさん!!れいむのなかまだよ!!かわいいでしょ!!」 「かわいいでしょ!!かわいくてごめんね!!」 「それよりおなかがすいたよ!!ゆっくりごはんをもってきてね!!」 一匹でもウザったい害獣を30倍に増やしておいて、「かわいいでしょ」などとほざくゆっくりたち。 暴れまわったゆっくりたちは、空腹を訴え始めた。そして、この流れだと… 「れいむはここでずっとゆっくりするよ!!」 「ここはまりさたちのおうちだよ!!れいむもゆっくりしていってね!!」 「おにいさんはゆっくりできるひと?できないならでていってね!!」 ゆっくりたちの生態は知っている。都合のよい住処を見つけたら、まず食事を要求し…最終的に は“自分の家”宣言をするのだ。今すぐにでもバラバラにブチまけてやりたいが、それでは僕の 溜飲が下がらない。もっと……もっと苦しめて……!! 「おにいさん!!れいむの連れてきたともだちかわいいでしょ!!ゆっくり感謝してね!!」 「………」 3日間飼っていたゆっくりれいむが、僕の目の前で胸を張る。平手でぶっ飛ばしそうになったが、 歯を食いしばって何とか耐えた。 「れいむのともだちいっぱいいるから、おにいさんもさみしくないよ!!ゆっくりうれしいでしょ!!」 「…あぁ、うれしいさ」 僕のストレス発散の道具を、30倍に増やしてくれたんだからな… 「さて、ゆっくりしているところ悪いけど、別の場所に移動しようか」 「そこはゆっくりできるところ?」 「あぁ、こんなところよりずっと綺麗で、たくさんゆっくり出来るところだよ」 「やったあ!!みんなでゆっくりしていこうね!!」 「ゆっくりー!!たくさんゆっくりするよ!!」 「計画通り…」 僕の声が聞こえなかったのか、聞こえても気にならなかったのか、ゆっくりたちは反応しない。 そんなゆっくりたちは、列を成して空室に入っていく。 部屋の真ん中にゆっくりたちを集めて、周りを柵で囲む。見たところ、このゆっくりたちはまだ小さい らしいから、この程度の高さでも飛び越えることはできないだろう。 「どうしてとじこめるの!!ゆっくりできないよ!!」 「これから食べ物を持ってくるよ。それまではその中でゆっくり待っててくれ」 「わかった!!ゆっくりまってるよ!!」 多少窮屈でも、食べ物のためなら我慢する。そんなゆっくりの生態も、僕はよく知っている。だが、 僕が用意するのは食べ物ではない。食べ物の代わりに僕は五寸釘と金槌を持ってきた。 食べ物を持ってくるものと思っていたゆっくりたちは、僕が手にしているものを見て不平不満を口にする。 「おにいさん!!たべものはどうしたの?」 「おなかすいたよ!!ゆっくりできないよ!!」 「あー、もう少し待っててくれ」 「もうまてないよ!!はやくゆっくりもってきてね!!」 「おなかすいた!!おなかすいてゆっくりできないよ!!」 言っても分からぬ馬鹿ばかり… まあ、そんな馬鹿とももうすぐさよならだ。そして、僕はゆっくりを“かわいがりはじめた”。 「あーお腹すいたなー。お、ちょうどいいところにゆっくりがいるじゃないか」 「ゆっ!?ゆゆっ!!?」 「ゆっくりは甘くておいしいんだよなー。じゃあ今日の夕飯はゆっくりだ!」 僕の言葉を聞いて、うろたえ始める30匹のゆっくり。もう空腹などどこかへ飛んでいってしまったようだ。 「れいむはおいしくないよ!!ゆっくりたべないでね!!」 「まりさもおいしくないよ!!たべるなられいむをたべていってね!!」 「ゆーっ!!もうやだ!!おうちかえる!!おにいさんとはゆっくりできないよ!!」 「おにいさんあっちいって!!れいむをたべようとするおにいさんはでてって!!」 柵を越えて逃げようとするが、そんなことは無理だ。こいつらの体格でこの柵を乗り越えることはできない。 「お前達、食べられたくないか?」 「うん!!ゆっくりたべないでね!!」 「お兄さんはお腹が空いてるんだ…でもお前達が食べられたくないなら、しょうがないな」 「ゆっ!?」 期待に目を輝かせるゆっくりたち。このまま開放されるとでも思っているのだろうか。だが、そんなことは しない。全員食べるよりも酷い…地獄絵図をお前達に見せてやる。 「お前達、食べられたくなかったら他のゆっくりを食べろ。最後に残った一匹は食べないでやる」 「ゆっ………?」 足りない頭で何を言われたのか必死に考えている、という顔だ。中身が餡子じゃ無理もないか。 「へちゃむくれの饅頭にも分かるように言ってやる。生き残りたかったら、他のゆっくりを食い尽くせ!!」 「ゆ゛ーーーーーーっ!!!」 それがスタートの合図となった。一匹のゆっくりまりさが他のゆっくりに襲い掛かる。他のゆっくりに比べて ゆっくりまりさは生きるためなら手段を選ばない、一言で言うと悪い性格のゆっくりだ。 「いだいーーー!!!だべないでええええ!!!」 「うっ…うまっ…これうまっ!」 隣のゆっくりれいむをむしゃむしゃと食べるまりさ。それを見て他のゆっくり達も共食いを始めた。 「びゃああえがあああ!!どおじでえ゛え゛え゛え゛!!」 「ゆっぐりできな゛い゛よ゛お゛お゛お!!」 ここまでは普通の虐待。ゆっくり虐待においてセオリーとされている方法だ。 そして…今、最初のゆっくりまりさが一匹目を食い終えたところだ。 「ふむ、あいつが今のところ優勢だな」 僕は次の計画に移ることにする。 「すうっ……ゆっくりしていってね!!!!!」 「ゆっ!!??」 可能な限りの大声で、お決まりのフレーズで呼びかける。それに反応したゆっくりたちは皆、びっくりして 食い合いを止めてしまう。何が起こったのか数秒遅れで把握すると、僕の方を向き… 「「「ゆっくりしていってね!!」」」 今まで醜い争いを繰り広げていたことも忘れ、僕に笑顔で応じる。こればかりは本能だから逆らいようが ないのだろう。つくづく馬鹿なやつらだ。馬鹿すぎてかわいそうになってくる。だが、これでゆっくりたちの 動きは止まった。やるなら今だ。 僕は柵に入って、先ほどのゆっくりまりさを見つけると、そこから動かないように手で固定する。 「ゆ!?ゆっくりだしてくれるの!?」 おそらく、一番がんばった自分は特別だから、特別に出してもらえると思ったのだろう。 餡子でものを考えるから、すべてを前向きにしか捉えられないらしい。確かに、特別であることにかわりはない。 …お前の考えてる“特別”とは、まったく逆だけどな。 「そおおぉいっ!!」 「うゆぎゅう゛う゛う゛う゛う゛!!」 ゆっくりまりさの頭上から、真っ直ぐ五寸釘を打ち下ろしてやった。ガンガンと打ち込んでいくたびに、 まりさはビクビクと痙攣したように震える。今、30匹のゆっくりたちの中で一番優勢だったゆっくりが、床に しっかりと固定されてしまったのだ。 「どおじでえええ!!ゆっぐりざぜでぐれ゛な゛い゛の゛お゛お゛お゛!!!」 痛みに暴れ狂うが、床に打ち込まれた五寸釘にど真ん中を貫かれているのだ…逃げられるわけがない。 そして、僕は他のゆっくりたちに呼びかける。 「おい、お前達、どうしたんだ?」 「ゆ゛ゆ゛っ!!?」 「早く食っちまわないと、お前達を食べるよ?」 「ゆ゛ゆ゛ーーーーーっ!!!」 捕食対象となるのは…当然、五寸釘に貫かれて動けないゆっくりまりさ。低脳なゆっくりたちも、 最小の労力で生き延びるにはどうしたいいか…それくらいはわかっているらしい。すべてのゆっくりが 一匹のゆっくりまりさに群がり、食い漁る。 「ぎゅあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!はずしでえ゛え゛え゛え゛!!」 「まりさはゆっくりしんでね!!うまっ…これうまっ!!」 「まりざがああ!!まりざがだべるのお゛お゛bっぼばあ゛お゛!!!」 五寸釘に打ち抜かれさえしなければ、お前の勝ちだったのにな。あぁかわいそうかわいそう。 そのうちゆっくりまりさが食べつくされると、先ほどと同じように争いが始まった。一匹が他のゆっくりを 圧倒しているのを見ると、また先ほどのゆっくりまりさと同じように五寸釘で打ちつけ、 他のゆっくりたちをけしかける。 「うめ…これめっちゃうっm!みぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「その下品な言葉遣いは止めろ。食べるときは『サイン、コサイン、タンジェント』だ」 ぐりぐりと五寸釘をねじ込みながら、他のゆっくりたちをにらみつけて“教育”する。 僕だったら恥ずかしくてこんなこと言えないけどな。それ以降、他のゆっくりたちは口汚い言葉を吐かなくなり、 『サイン、コサイン、タンジェント』と優雅な言葉遣いをするようになった。恐怖を与えれば、ゆっくりたちは 一発でモノを覚える。 でも、食事のスピードで抜きん出るゆっくり…そいつらに五寸釘を叩き込む僕の手は緩まない。 「どおじでごんなごとずるの゛お゛お゛お゛お゛!!!」 と抗議の声が、まわりのゆっくりたちからも上がる。 「お前達が食われないように、強いゆっくりを懲らしめてやったんだ。やさしいだろう?」 同じことをしばらく繰り返す。そのうち、馬鹿なゆっくりたちも理解し始めた。 他のやつらを食べなければ、自分が食べられる。しかし、あまりに相手を圧倒してしまうと自分が五寸釘で 貫かれる。僕の“弱きを助け、強きを挫く”作戦に、ゆっくりたちはどうしたらいいのか分からなくなっていた。 「ゆっ…えぐっ……ゆっぐりざぜでよ゛お゛お゛!!」 食わなければ食われる。食いすぎても痛い目にあう。混乱のあまり泣き出すゆっくりもいた。そんなゆっくりも 僕は五寸釘でゴスンと打ち付ける。 「ゆぎゅう゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛ばあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「あんまりゆっくりしてるとおしおきだ。言っただろう?僕は“お腹が空いてる”って」 「どおじでえええ!!どおじだらい゛い゛の゛お゛お゛お゛お゛!!??」 ゆっくりしすぎても、食べ過ぎても…五寸釘の餌食になる。でも、食べなければ生き残れない。 そんな挟みうちの状況は、ゆっくりたちの精神を確実に蝕んでいた。そうだ、これが見たかったんだ!! 皆が僕の作ったルールに従い、そして苦しむ。ただ潰すだけじゃない。精神的に苦しめなければ意味がない! 数十分後、生き残りは2匹のゆっくり―――まりさとれいむだけになっていた。そのうちれいむの方は 偶然にも僕が今まで飼っていた、あのゆっくりれいむだ。 2匹だけになると、本当にどうしたらいいのかわからなくなるのだろう。 ゆっくりした方が打ち抜かれるのか、食べたほうが打ち抜かれるのか。そんなことを空っぽの頭で考えるから、 2匹は混乱してしまってその場をうろうろし始めた。 「よし、もういいだろう」 「ゆっ!?ゆっくりだしてくれる?」 「ゆっくりたすけてくれるの!?」 僕は2匹のゆっくりを持ち上げて、柵から出る。もうあのまま放っておいても面白くなさそうなので、 別の方法をとることにする。 一本の紐を用意し、両端を2匹のゆっくりにくくりつけて、ぴんと真っ直ぐ伸ばして床に置く。 ちょうど、綱引きと同じ状態だ。そして紐の真ん中に僕は顔を近づける。 「僕は目の前に来たほうのゆっくりを食べることにしよう。 食べられたくなかったら、その紐を思い切り引っ張るんだ」 僕が大きく口を開けると、その意味を理解した2匹は正反対の方向に逃げ出す。しかし、紐に引っ張られて 離れることができない。2匹の力が拮抗しているから、ぴくりとも動かないのだ。 「ゆっ…ゆっ…まりさはゆっぐりしてね!!」 「ゆっ…ゆっ…れいむがゆっくりじてね!!」 自分が逃げ延びるために、ぴょんぴょん跳ねながら相手にゆっくりすることを要求する2匹。 横に逃げることも思いつかない馬鹿だから、きっと力尽きるまで紐を引っ張り続けるのだろうな。 僕はちょっと手を加えることにした。 「そーれ、お前のほうが美味しそうだな」 僅かに優勢だったまりさの方をひっぱる。それに伴って、れいむは同じ距離だけ離れていった。 「いやあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!まりざばおいじぐな゛い゛よ゛お゛お゛お゛!!」 「ゆっ…ゆっ…おにいさんありがとう!!ゆっくりしていってね!!」 ダメだこいつ…早く何とかしないと… 僕に助けられたと思ったれいむは、僕に感謝の言葉を告げる。3日間やさしくしてくれたおにいさんが 今回も自分の味方をしてくれたと思っているのだろう。本当に自分に都合のいい考えしか浮かばないやつだ。 そんなことをしているうちに、今度はれいむが優勢になり、まりさが僕の口に近づいてくる。すると… 「うーん、やっぱりれいむの方が美味しそうだな」 「ゆゆっーーー!!い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」 れいむを自分のほうに引っ張り、まりさを遠ざけてやる。自分の努力が一瞬で水の泡になったれいむは、 絶望した表情を見せるがそれでも諦めずに跳ね続ける。 「おにいさん!!れいむをたべてゆっくりしていってね!!」 「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!だべないでよ゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!」 数分の戦いの末、れいむが僕の口まであと数センチというところまで迫ってきた。 「おー、美味しそうな饅頭だな。いただきまーす」 「なんでええええええ!!!れいむおいじぐないよばお゛お゛あ゛お゛お゛!!!」 「おにいさん!!まりさといっしょにゆっくりしようね!!」 もう勝ちを確信したゆっくりまりさ。息も絶え絶えになり、愕然とした表情のゆっくりれいむ。そして… 僕は振り上げた拳を… 「ゆぎゅうううううあああああああお゛あ゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!!」 優勢だったゆっくりまりさに振り下ろした。ふてぶてしい表情が一瞬で歪む。 一気に押しつぶされたまりさは、体中至る所から饅頭をぶちまけながら…絶命した。 「おにいさん!!たすけてくれてありがとう!!ゆっくりしていってね!!」 残った最後の一匹。ゆっくりれいむが飛び跳ねながら僕に近づいてくる。僕の計画も、残り僅かだ。 生意気にも寄り添ってきたれいむを、僕はデコピンで弾き飛ばす。 「ゆゆっ!?なにするの!!ゆっくりあやまってね!!」 「…おい」 「ゆっ…!」 ドスの聞いた僕の声に、れいむは震え上がる。 「これ、食べろ」 指差したのは、ゆっくりまりさの残骸だ。それをみたれいむは、ガクガク震えながら… 「むりだよ!!そんなのたべられないよ!!」 「どうしてだ?お腹すいてるんだろう?」 「たべられないよ!!それはまりさだもん!!たべないよ!!」 こいつ…ついさっきまで30匹の共食い競争をしてたのを忘れたのか? その口についてる餡子は、いったい何だって言うんだ? 「いいから食べろ。10秒以内に食べないと……お前も食べちゃうよ♪」 「ゆゆーーーっ!!!??」 「数えるぞー。10…9…」 「ゆっ!!たべる!!たべるよ!!だかられいむをたべないでね!!」 10秒以内と言っても、ゆっくりの頭じゃ分かるまい。しかし、早く食べないと自分が食べられることは わかったらしい。 「むしゃ…むしゃ…さいんっ…こさ…いんっ」 餡子の脳みそで、さっきのルールを覚えてたのか。思わず笑いそうになった。 あー、腹筋に来る笑いだね、これは。でも残念、そんなれいむとももうお別れだ。 「7…6…5…」 「たんっ…じぇんとぅ…さいっ…ん…こさいんっ…たん…」 「……4321ゼロー!!はい時間切れー♪」 「ゆゆゆっーーーー!!?ぎゃああらお゛い゛お゛い゛あ゛え゛お゛り゛な゛お゛ろ゛い゛がじょれ!!!!」 3日間一緒にいた仲だからな、最後は一思いにぶちまけてやった。僕って優しいな。 こうして悪いゆっくりを虐待し続ければ、いつしか馬鹿なゆっくりたちも気づくだろう。 “悪いゆっくりだけが酷い目にあっている”と。ゆっくりたちに僕の存在を知らしめるんだ。そして… 「僕は新世界の神となる!」 …なーんちゃって。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/5102.html
いままで書いたもの とかいはコーディネイター 植物型ゆっくり 魔理沙とゆっくり~邂逅篇~ 取替えられた子 お前なんかドスじゃない ばーさすちれーでん ねるねるねるゆ ゆっくりを飼うって難しい ゆっくり分身 れいぱー 公然猥褻れみりゃ 決死の虐待 虐待お兄さんの冒険 人外魔境の森編 ゆっくりさん 虐待お兄さんの冒険 異形達の海岸編 じゃんけん13奥義 ゆっくりの背筋も凍る怪談 一生一人でゆっくりしてろ! 「まりさ! どうしてアンタはそうなの!」 頭上から降り注ぐ怒声。余りにも理不尽なそれを、まりさは黙って縮 こまりながら受け止める。 叫んでいるのはまりさの飼い主だ。顔を怒りで真っ赤にそめ、失望に 染まりきり、憎悪すら滲んだ顔でまりさを見下している。 「ゆっくりごめんなさい、ゆっくりごめんなさい……」 まりさは顔を伏せたまま、喉を震わせ掠れた声を漏らす。しかし、飼 い主の表情は変わらない。 飼い主はまりさを掴みあげ、鬼の形相で怯えるまりさを睨みつける。 「ホントアンタはダメなゆっくりなんだから! どうして――」 そして、それを指差しなが言った。 「――あのれいむみたいにできないの?!」 指差された先。そこには、もみあげを使い器用にナイフとフォークを 操り、お行儀よくフレンチを食べるお隣のれいむの姿があった。 まりさは叫んだ。 「でぎるわげないでじょーーーーーーー?!」 事の発端は1ヶ月前であった。 「今日のご飯はまりさの大好物の犬のエサよ!」 「ゆわーい!」 その日もまりさとその飼い主である女性はいつもどおり仲良く散歩に 出かけ、丁度家へ帰ってきた所だった。マンションの二階、その廊下 に出ると、自分の部屋の隣にダンボールが山積みにされているのに気 がついた。 「おねーさん、これなーに?」 「お隣に誰か引っ越してきたのね」 と、丁度その時隣の扉が開き、頭に饅頭を載せた20歳くらいの青年が 現れた。ルックスもイケメンだ。 そして、こちらの存在に気付いた青年と饅頭が、口を開いた。 「やぁ! 僕は虐待お兄さん!」 「れいむはれいむだよ! ゆっくりしていってね!」 そしてこの爽やかな笑顔。 飼い主とまりさは、青年の言葉を聴かなかった事にして挨拶した。 それから数日たち、青年が基本変質者だが悪い人間ではないと思い込 んだ飼い主とまりさは、日頃やたらと働く青年のまりさをたまに預か るような仲になった。 ……そう、まりさの地獄はこの時から始まっていたのだ。 「今日のおやつは特売の100円ケーキよー。特売よ特売」 「「ゆわーい。けーきー」」 やたらと特売を強調する飼い主に与えられたケーキを、まりさはいつ も通りむーしゃむーしゃと齧る。よく噛み、飲み込んで 「しあわせー!」 と叫び、口の周りについた生クリームを舌で綺麗に舐め取った。 そして、ふと隣にいるれいむを見て、驚愕した。 れいむは、そのもみ上げで掴んだマイフォークで、ケーキを一口大に 切り分けてお上品に食べていたのだ。 唖然と口を開いてその様を眺めるまりさと飼い主。当然だ。ゆっくり がフォークを使って物を食べるなど、常識的に考えてありえない。 「……れいむは行儀がいいわねぇ。まりさもれいむを見習いなさい」 半ば引き攣った笑みを浮かべて、気のない声を上げる飼い主。まりさ はその飼い主の声に答える事はできなかった。れいむの使うフォーク がかちゃかちゃと皿と触れ合う音だけが響いていた。 それからも、れいむは、ゆっくりらしからぬ凄まじさを事あるごとに 披露した。 5桁×5桁の暗算、トランプを使った透視、鬼隠し編プレイ時点での ひぐらしの謎の解明、レベル1でドラクエクリア、東方ルナティック 初見ノースコクリア等である。 それを見るたびに飼い主はまりさに言った。 『まりさもれいむを見習いなさい』 『まりさもれいむみたいになりなさい』 『まりさと違ってれいむは凄いわね』 『まりさはどうしてれいむと違ってダメなのかしら』 『まりさはどうしようもないわね』 飼い主は結構見栄っ張りなところがあり、基本キチガイだった。他人 のゆっくりより劣るまりさを責めるようになったのだ。日に日に厳し く、執拗になっていく飼い主の叱責に、まりさの心は磨り減って行っ た。 まりさの名誉のために言うと、まりさは決してダメではない。むしろ 飼いゆっくりとしては非常に優秀といえる部類に入る。 まりさは不出来ではない。ただ、比較される対象が悪かったのだ。 飼い主はヒステリックに泣き叫びながらまりさに告げた。 「どうしでできないのよぉぉぉぉぉぉ?! れいむを見習いなさい! れいむは3階から投げ捨てられてもへっちゃらでしょぉぉぉぉぉ?! あんたも2階から投げ捨てられるくらい我慢しなさいよぉぉぉぉ!!」 「でぎるわげないでじょぉーーーーーーーーー?! おねがいだがら おぢづいでねぇーーーーーーーーーー?!」 まりさは長い鍛錬の末にようやく動かせるようになったお下げで必死 に窓枠にしがみ付く。己の命が掛かっているので正に命がけだ。 そんな中、地面でゆっくりしていたれいむが上空のまりさに向かって 声をかけた。 「おそらをとんでるみたいでゆっくりできたよ! まりさもゆっくり していってね!」 そのズレた声に、思わずお下げの力が緩み、 「ゆっぐりでぎないぃーーーーーーーーーーーーーーー!!!」 まりさは、空を舞いながらそう叫んだ。 おわり 作者:○ーメンぶっかけ祭の人 あとがき SSの展開に悩んでいる間に何がなにやらわからない事になっている ので騒動が治まるまでふたばにいくことにします。 戻ってくる事があったらその時はまたよろしくお願いします。 このSSに感想を付ける